お次のテーマは「ハーレム」。
ここは天国か
右を見ても左を見ても美女、美女、美女。ムンムンと匂い立つようです。ハーレムはいつの時代も男の夢。
混浴の時代ならでは
裸の男女(と子ども)がたくさんいるここは湯屋、つまり銭湯。江戸時代は混浴が一般的だったのでこんな光景もあったでしょう。しかし、なかには堂々と屹立させている男性や、ぎゅうと男性器を握っている女性がいたりして、これはいったいどういうことなんだろう。
堅物老中・松平定信が「風紀が乱れる」と混浴を禁じたりしましたが、こんな春画を見ると「そりゃ、禁止もするわな」と思ってしまいます。実際にはそれほど間違いは起きなかったそうなので、これはあくまで男性の夢想なのでしょう。
ドキッ! 女だらけの島に到着!!
女性しか住んでいないという伝説の島・女護島。そこにたまたま漂着した3人の男性に女性たちが群がっています。これは極楽。でも飢えた女性たちの果てなき性欲の先にあるのは、はたまた地獄か。
ちなみに井原西鶴の代表作のひとつ『好色一代男』でもラスト、主人公は女護島を目指し旅立ってます。
だーれーにーしーよーうーかーな♪
裸の女性を並べて、見るからにいやらしい顔をした男性が、これまた見るからにアヤシゲな黒い容れ物からなにかを手に出しています。現代でいうローションは江戸時代にもあり、「通和散」と呼ばれていましたが、はたしてその類のぬめり薬でしょうか。まあ、それよりもこの状況。江戸時代のエロがはじまりすぎていてこわいです。
大人数の次はひとりでエッチ。
お次のテーマは「ひとり遊び」。
淫夢
炬燵(こたつ)で温まっていたらムラムラしちゃったのでしょうか。女性が淫らな妄想で自慰をしています。火照った身体にかけているのは男性ものの着物。おそらく妄想相手のものでしょう。
机の下にご注目
ん、これが春画?女性が読書しているだけでは? と、いったん思ってしまう。しかしよく見ると、まず読んでいる本が艶本(読み方:えほん/えんぽん)、つまりエッチな本です。男女が絡み合っているシーンをうっとりと見ている。そして、肘をついている机の下には、張型(はりがた)がゴロリゴロリ。張型とは男性器を模したアダルトグッズ。状況がわかると、この女性の小指をくわえる仕草がなんとも色っぽい。
余談ですが、江戸時代にはすでにバラエティ豊かなアダルトグッズがありました。幕末に活躍した退廃の絵師・渓斎英泉による性の指南書『枕文庫』にもさまざまなものが紹介されています。それがこちら。
机の下にご注目
たとえば、画像右下の「吾妻形(あづまがた)」。これは男性が自慰に使用するいわゆるオナホールです。江戸時代にすでにこんなものがあったとは驚きです。内部はビロード素材だそう。
また、たとえば画像左の「同両首」。これは女性同士での性行為で使用するもので、現代でいう双頭ディルドです。江戸時代にすでにこんな(以下略)。画像中央の「肥後ずいき」も江戸時代のアダルトグッズとして有名なもので、セックスの際に男性器にぐるぐると巻きつけて使いました。そうすることで女性はえも言われぬ快感を得られたそうです。…本当か?
なお、こうしたアダルトグッズを専門に売る大人のおもちゃ専門店もありました。ちなみに店名は「四目屋(よつめや)」といいました。