次なるテーマは「絵師のフェチシズム」。
鏡がいい仕事をしている
またしても髪のセットをしようとしていたところを襲われています。
会話の文を読むと、「せわしないねぇ。ちょっと髪をやっちまうからそれまで待ちなよ」という女性に対し、勃起している男性は「こんなに元気になっちまってんだ。自分のモンでも自由にならねぇよ」と強引に押し切ろうとしています。
女性の乱れ流れる黒髪の美しいエロさに目を奪われますが、注目は鏡。鏡にチラリと映った白い足の指先がなんともいやらしい。女性美を描き続けた歌麿のフェチシズムを感じます。
ここをクローズアップしたとってもオシャレな春画展のポスターがあるのですが、それがこちら。
2015年秋に永青文庫で開催された春画展のポスターなのですが、すんごいオシャレ。いやらしいのにいやらしくない。このポスター効果か女性客も殺到したそう。
次も歌麿。
脚線美
この絵は女性の脚の美しさを描きたかったに違いない。さらにいえば、男性の脚もまたかなり美しい。美しい脚がつくりだすトライアングルの中央にそそり立つ男根の神々しいまでの力強さ。すさまじい構図。
快楽にしびれる指先
女性の赤い着物、男性の黒い着物、櫛のからまるみだれ髪ーーシンプルながら赤と黒が印象的なオシャレな春画です。注目ポイントは「手」。快感のあまり枕に爪を立てるかのような手は、ちょっと不自然な角度のようにも見えますが、それが逆に女性の快感がとても深いことを想像させます。
余談ですが、この『絵本つひの雛形』は北斎の代表的春画として有名ですが、浮世絵研究家の林美一氏によると北斎・北斎の娘のお栄・渓斎英泉の3人による合作では? とのこと。謎に包まれた傑作春画です。
さて、次のテーマは「珍プレイ」。
力持ち
ーーいやあ、性交のあとは喉が渇く、渇く。お茶でも飲む?
ーーあら、気がきくのね。頂こうかしら?
いやいや、どこで急須を持ってるんだ。
青スジ立ちまくった男根を見るとこれが限界のようでもあり、男性の余裕の表情を見るとまだまだ余力がありそうでもあり。馬鹿馬鹿しすぎて、もう微笑ましいレベル。
数百年前から男根でモノを持ち上げていたんですね。
なぜそこに
女性が自慰しているシーンかと思いきや、それにしては足が多い・・・よくみると机の下に男性が。騎乗位ならぬ机上位?なぜこの状況を描こうと思ったのか、人気絵師・歌麿のアイデアは底をつくことがありません。
変態プレイにもほどがある
万歳で身をゆだねる全裸の男性の上に、ホウキ?を手にした美女がまたがり船こぎプレイを愉しんでいます。男性を船に見立てた女性が男性器の舵(かじ)をとりながら、ホウキの竿で船をこいでいるわけです。めちゃくちゃだよ。
風邪ひくよ
滝壺で行為に及んでいます。
打たせ湯は気持ちいいが、滝壺でもおなじく気持ちいいのだろうか。よく見ると、滝の出処は龍の口。十二支の龍がテーマにして、なんでこんなことになったのかは謎。
SMプレイ
SMプレイと捉えていいのかな?まあ、ここまで江戸時代の春画を見ると、とうぜんSMはありそうです。