春画 全68作品
最初のテーマは「修羅場」。
ぐえ〜ごめんなさ〜い
ザ・修羅場。
男性のやられっぷりが見事。首を絞めている女性(画像左)、よく見ると男性の背中を足で蹴飛ばしています。目も据わっていて完全に殺る気マンマンです。
あなた!ちょっとこっち来なさい!!
こちらもどっからどう見ても修羅場。夫の浮気現場に奥さんが踏み込んできたの図です。ふんどしをムンズと掴む手に怒りを感じます。夫は、男性器を露出しながらも言い訳がましい表情で、こちらも秀逸。浮気相手の“いかにも”な感じもいいですね。
ちなみにこちらの春画、奥さん、夫、愛人のほかにも登場人物がいます。画像右端に注目。愛人が引っ掛けている着物の下になんと小人が!
この男、秘薬で小さくなったこの物語の主人公で、性の奥義を極めんと大冒険の真っ最中なのです。エッチで笑える小人の大冒険物語『風流艶色真似ゑもん』は江戸時代の大ヒット作です(えぇ・・・)。
登場人物はみんな…
色づかいの美しさに思わず目を奪われますが、ここに描かれているのはすべて男性。
そうなのです。裸で寝ている人物も肩を抱かれている人物も、真顔で2人を見下ろす人物もみんな男性。つまり、男色トラブル。二本差しのところを見ると武士のようなので、このあと血の雨が降りそうです。
状況がまったくわからない
蚊帳(かや)を挟んでの三角関係。昨今、流行りのNTR(寝取られ)系でしょうか。それにしても気になるのは蚊帳のなかにいる男性。しっかりと起きている様子で、耳をふさぎながらもこの状況を止めもせず受け入れているのは、はたしてどういうことだろう。女性の表情もなんだかSっぽい。
さて、お次のテーマは「子ども」。
オープンすぎる性教育
「ここにな、これをな、こうしてな、こうするんだよ」
「わぁ!すごーい」
ということだろうか。
いくら江戸時代が性に大らかだったとはいえ、これは早すぎないだろうか?それにしてもこの子ども、興味津々である。
ちなみに、春画には子どもがよく登場します。春画は「笑い絵」とも呼ばれたように、“笑い”が重要だったため、子どもや動物はセックスの邪魔やイタズラをして、見る者に笑いを誘いました。
次は、また鈴木春信。
寄ってきちゃダメ
夫婦でしょうか。いたしているところに子どもが来てしまったので、お父さん考えた。
「そうだ、お獅子に化けたら怖がってあっちに行くかも」
残念ながらこの作戦は逆効果だったようで、「わーい、お獅子だ、お獅子だ」とばかりに太鼓まで持ち出して子ども大喜び。全然向こうに行ってくれる気配はありません。果たしてこのあとどうしたのでしょうか。
次もまたまた鈴木春信。
お母さんはたいへんだ
蚊帳から上半身を出しポッピンを吹いて子どもをあやすお母さん。しかし、その背後には着物に隠れるようにした男性の姿が。お父さんと信じたい。
「ねぇ、もう一回!」
とねだるのは、果たして子どもか男性か。
お雛さまそっちのけは許されない
部屋の奥に立派な雛飾りが見えます。どうやら今日はひな祭り。ところが、お母さんとお父さんは娘のお祝いそっちのけで励んでいます。
でもここで定番のジャマが入る。おめかしした本日の主役が登場。「お母さ〜ん、あっちで一緒に遊ぼうよう」とお母さんの帯をグイグイ。さて、お母さんはどっちを選んだのか…。
ちなみに、タッチがそっくりですがこちらの作者は鈴木春信ではなく磯田湖龍斎という絵師。春信をリスペクトするあまりタッチがそっくりになったようです。