次は気分を変えて「かわいい系」。
カルタになりそうなかわいらしさ
これまでの春画とずいぶん違います。素朴なタッチで淡い色合いもかわいらしい。今風に言えば「ユルかわ春画」といったところか。2人ともニコニコしているし、お正月の床の間にでも飾れば福が訪れそうですが、来客は減るかもしれません。
ちなみに、作者は江戸時代中期から後期にかけて活躍した京生まれの画家・池大雅。絵も書も超絶うまい天才肌の人でしたが、天才にありがちなちょっと変わった人でした。
絶対、もち肌
シンプルタッチな春画ながら、男性も女性もムッチリ。触らずともわかる、絶対にもち肌。春画というと極彩飾のちょっとケバケバしいタッチをイメージしますが、初期の春画はこんな感じにシンプルでした。
原宿系
先ほどのが初期春画ならこちらは幕末の春画。退廃ムードの作風で人気がある渓斎英泉らしく、独特の毒っ気が漂います。現代的な色づかい。ピンク、赤、紫、ときどき緑とか、色合いが完全に原宿系です。時代の最先端を行く“KAWAII”春画。
次。「かわいい」というより「ほのぼの」?
まるでお昼寝中のような
全体で見ると局部もあらわな春画なのですが、右半分を隠してみるとあら不思議、男性も女性も幸せそうに目をつむり、なんだかお昼寝中のようにも見えます。幸せそう。
次は「かわいい」というより「おしゃれ」
映画のワンシーンみたい
睦み合う男女の背景が恋文というアイデアがすごい。秀逸なデザインと色合いでまるで映画のワンシーンかポスターのようです。
世話焼きっ娘に胸キュン
恋人同士でしょうか。朝になり帰り支度をする男性を娘さんがかいがいしくお手伝いしています。蚊帳越しというのが奥ゆかしいというか、じれったいというか。
娘さんの足元に散らばる使用後の懐紙が生々しいです。
よーく見ると…
一見するとパステルカラーもかわいらしい花と蝶々のなごやかな絵ですが、騙されてはいけません。
よーく見ると、この蝶々なんだかおかしい……。
なんということでしょう。
羽が男性器ではありませんか。それだけではありません。花びらもよく見ると女性器です。どういう発想力だ。まぁ、受粉もセックスといえばセックスですしね。あながち間違いでもないですね。
どんどん行きます。
次のテーマは「今ヤるの!?」。
おっぱいぐらいゆっくり飲ませてよ(赤ちゃんより)
ご主人、どれだけ辛抱たまらんのですか、赤ちゃんがおっぱい飲んでるというのに。こうしたことは日常茶飯事なのか、奥さんは動じることなく両方を受け入れています。母は強し。カオスな空間ですが、春風に乗って窓から舞い入る桜の花びらがミスマッチな美しさを演出しています。
髪ぐらいゆっくり結わせてよ
櫛を口にくわえ、鏡を見ながら色白ぽっちゃり美女がヘアスタイリング中。なのに、男性ときたらムラムラしたのか、女性の秘部に手を伸ばしています。なにかしている女性にちょっかいかけたくなるのは今も昔も男の性(さが)でしょうか。
流した汗をまたかく
お風呂あがりに縁側で涼んでいたようです。そうしたらいつの間にかこんなことに。これではせっかく汗を流したのにまた汗をかく羽目になります。で、また銭湯に行く。涼んでいたら襲われる。また汗をかき、銭湯へ行く。また襲われて・・・無限ループです。すだれで男女の表情がよく見えないところに絶妙なエロスを感じます。