• 更新日:2019年2月4日
  • 公開日:2016年8月12日


江戸時代のアレコレ、現代だとおいくら?


江戸グルメの代表格すしやそば、庶民の集合住宅・長屋の家賃、人々の憩いの場・湯屋(銭湯)……など、「現代の金額に換算といくらだろう?」というのはとっても気になるところ。

ただ、これが実に難しい。

江戸時代は265年ありまして、1両の値段だけをみても、江戸時代初期では約10万円前後、中~後期では約4~6万円前後、幕末になるとさらに価値が下がったといわれています。ですが、研究者によっては1両20万円だという人もいるし30万円だという人もいるし、いやはや4万円くらいという人もいる。

ただ、話がすすまないので、今回はエイヤアで、1両=8万円、1文=20円(1両=60匁=4000文で換算)で考えることにしましょう。社会情勢も違う江戸時代の価格と現代の価格は比較できないのですが、あくまで目安ということで。

では、いってみましょう!(注:当時の価格は江戸時代後期のもの)

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【グルメ編】


まずは江戸グルメの代表格から。

『縞揃女弁慶 松の鮨』(歌川国芳 画)
『縞揃女弁慶 松の鮨』(歌川国芳 画)
寿司

  • 屋台の寿司で一貫4~10文=約80~200円
  • ちょっとお高い店舗の寿司一貫20~30文=約400~600円

なかなかリーズナブルに楽しめたようです。
ちなみに、大きさは今の寿司に比べて2倍以上と超ビッグでした。


次。

てんぷらを食べる江戸時代の女性(『風俗三十二相』「むまそう」月岡芳年 画)
『風俗三十二相』「むまそう」月岡芳年 画
てんぷら

江戸時代のてんぷらは屋台グルメで、ネタを串に刺して売っていました

一串およそ4文=約80円

ネタは今でも定番のアナゴや芝海老、貝柱などでどれでも約80円というのだからめちゃくちゃ安い!てんぷらはファストフードだったんですね。

幕末になると高級な料理屋でもてんぷらを出すようになり、次第に高級路線になっていったんだとか。


次。

これも江戸時代に誕生した江戸っ子大好きグルメ。

江戸時代の蕎麦屋の屋台(『鬼あざみ清吉』歌川豊国)
『鬼あざみ清吉』(歌川豊国 画)
そば

  • そば16文=約320円
  • てんぷらそば32文=約640円

今の立ち食いそばの価格と似たような感じです。ちなみに別記事で江戸時代の蕎麦事情を特集しています。


次。

鰻をさばく江戸時代の料理人(「かばやき沢村訥升」歌川国芳 画)
鰻をさばく江戸時代の料理人(「かばやき沢村訥升」歌川国芳 画)
うなぎ

江戸時代から変わらない夏の定番グルメ。こちらは今だとかなり高額です。では江戸時代は?

比較的高級なうなぎ店の蒲焼き1皿170~200文=約3400~4000円

うへえ、高い。ちなみにご飯はついてきません。うなぎは今も昔も高級グルメだったようです。ただ屋台ではもっとお手軽に食べられたようです。


次。

『十二ケ月の内 四月 ほとゝきす・かつほ』(渓斎英泉 画)
『十二ケ月の内 四月 ほとゝきす・かつほ』(渓斎英泉 画)
初鰹

新しいもの大好き江戸っ子が熱狂したのが初物グルメ。なかでも初鰹に対する熱狂ぶりは異常。その驚きの値段は!?

記録に残る最高取引額の初鰹1本3両=約24万円

カツオがブランドバッグ並です。

ちなみにこの時の購入者は江戸時代後期の人気歌舞伎役者・三代中村歌右衛門。当時、かなり話題になったとか。そりゃそうだ。

ただ、高級な初鰹もはしりを過ぎれば値段も下がり、1本1000~2000文=約2~4万円くらいになったそうです。それでもやっぱり高い!


ここからはパパっと値段だけを見てみましょう。

  • 豆腐→1丁50文=約1,000円(ただしサイズは今の4倍ほど)
  • 納豆→ひと束4文=約80円
  • ゆで卵→1個20文=約400円 高ッ!
  • 鰯→10尾36~50文=約720~1,000円
  • 居酒屋の酒→1合8~30文=約160~600円(安酒もあり上方からの高級酒あり)
  • 甘酒→1杯4~8文=約80~160円
  • 串団子→1本4文=約80円

などなど。

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