• 更新日:2017年8月18日
  • 公開日:2016年2月10日


冬は寒いもの――ならば思いっきり楽しもう!


火鉢やこたつ、カイロなど暖房器具もあったとはいえ、ミニ氷河期にあり今より格段に厳しい寒さのなかにいた江戸時代の人々。

しかし、だからといって家に引きこもってばかりにならないのが“なんでも楽しもう精神”にあふれた江戸っ子たち春に花見をするように、秋に月見をするように、冬には「雪見」を楽しみました

雪見に来た女性(『上野不忍池 雪の景』歌川広重 画)
((『上野不忍池 雪の景』歌川広重 画)
これは上野の不忍池に雪見に来た美女3人組。同地は雪見の名所として有名だったそうです。ほかにも隅田川や愛宕山(あたごやま)、飛鳥山なども雪見の名所としてにぎわいました。

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花見と宴会が切っても切り離せないのと同じく、雪見の宴会なんてのもありました。

雪景色を楽しみながら酒宴(『浮画雪見酒宴之図』歌川豊春 画)
((『浮画雪見酒宴之図』歌川豊春 画)
雪景色を眺めながら酒宴の真っ最中。庭には大きな雪玉をつくる子どもも見えます。ちなみに、雪を丸めて大きくするこの遊びは「雪まろげ」「雪転がし」と呼んだそうで、現代の雪だるまにつながるとか(諸説ありますが)。

ちなみのちなみに、冬なのに襖(ふすま)や障子が全部開け放たれているのは、当時まだ珍しかった遠近法の効果をより効果的に見せるためらしい。

また、炬燵(こたつ)や行火(あんか)を置いた屋根船に乗り隅田川を下りながら酒を楽しむ「雪見船」も冬の粋な遊びとして人気がありました

雪見船に乗る江戸時代の女性(『雪見八景』「晴嵐」初代歌川豊国 画)
((『雪見八景』「晴嵐」初代歌川豊国 画)
女性が雪見船に乗っています。炬燵でぬくもる女性の前にはワイングラスのような酒器がありますね。シャレてます。

最後は、雪の楽しみといえば忘れてならない「雪だるま」でお別れしましょう。
現在の雪だるまといえばこんな感じのイメージではないでしょうか。

雪だるま

丸い雪玉がふたつに目がついたり口もあったり。では、江戸時代の雪だるまはというと……

江戸時代の雪だるま(『江戸名所道戯尽』「廿二 御蔵前の雪」歌川広景 画)
((『江戸名所道戯尽』「廿二 御蔵前の雪」歌川広景 画)
はい、完全に「雪だるま」です。雪でできただるまです。お供え物が乗せられているように、江戸時代、雪だるまは縁起物だったようです。それにしても、なんともいえないかわいらしさがありますね~。しかもデカイ。

雪だるまは冬の風物詩として浮世絵にもしばしば登場しますが、時にはこんなユニークな雪だるまも。

雪だるまならぬ“猫だるま”(『初雪の戯遊』歌川国芳 画)
((『初雪の戯遊』歌川国芳 画)
雪だるまならぬ“猫だるま”。本当にこんなのがあったんでしょうか。猫大好き絵師として有名な国芳の作品なだけに、国芳らしいシャレなのかもしれませんね。裸足になって猫だるまをつくる女性たちが楽しそうで、キャッキャした嬌声が聞えてきそうです。

江戸時代の冬の過ごし方、いかがだったでしょうか。現代人なら1日で根をあげそうですが、温石を懐に入れ雪見船に揺られるのは体験してみたいですね。

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