江戸時代は今より格付けが好き!? 料理、嫌な嫁、絶対嘘だろ番付など人気10個を紹介

  • 更新日:2017年5月5日
  • 公開日:2016年2月11日

江戸時代に大流行した「なんでも番付」。定番の「料理」「温泉」ランキングから、ちょっと変わった「絶対に嘘だろ」「いらないもの」ランキングなど。150年以上前なのに、妙に納得のあるあるネタです。

あんなものからこんなものまで。なんでもランキングに庶民は夢中


大相撲には力士のランキングを表にした「相撲番付」がありますが、誕生したのはなんと江戸時代。その頃から今に至るまでほとんど変わっていません。

現在の相撲番付
現在の相撲番付
中央一番上の大きな文字は「蒙御免(ごめんこうむる)」。これは、相撲興行は役所の許可をもらって行っています、の意。この文言も江戸時代から変わっていません。

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「番付」といえば、相撲以外でも「長者番付」などがあるように「あるジャンルのランキング」の意味でも使われます。「食べログ」などもいわば「番付」の一種です。

ランキングは現代人も大好きですが、現代人以上にランキングが大好きだったのが江戸時代の人々です。

江戸時代の後期、相撲番付を模倣して、さまざまなジャンルのランキング=「見立番付(みたてばんづけ)」が大流行しました。ランキングされたものは、料理屋、名所、温泉など。料理屋ランキングは、まさに「江戸版食べログ」。

まだあります。評判の美人や文化人、流行のお菓子に節約おかず、災害時の義援金から敵討ち、良妻・悪妻などなど、じつにありとあらるゆものがランキングされ「見立番付」として出版されました。

髪結い床(今でいう床屋)に集まる江戸時代の庶民
(『浮世床』より、式亭三馬 作)
髪結い床(今でいう床屋)に集まった庶民は、待ち時間の間、本を読んだり噂話に興じました。見立番付もこういった時間に楽しまれたのでしょう。

なんでもランキングした見立番付は、気軽に楽しめる庶民メディアとして大人気となりました。いまみると、見立番付からは当時の庶民の生活が見えてきます。

さっそく、江戸時代のユニークで興味深いランキングの世界をのぞいてみましょう。

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なんども出版された江戸版・食べログ「料理茶屋番付」


庶民もグルメを楽しむようになった江戸時代後期。江戸の人々も大いに食べることを楽しんでいました。そして現代と同じようなレストランランキングも何度も出版されるほど人気でした。

料理茶屋の見立番付
1859年(安政6)に出版された料理茶屋の見立番付。東西に分けてランキングしているのは相撲番付のスタイル
1859年の料理茶屋見立番付ですが、なんと183店も掲載!中央一番上に「即席会席 御料理」とタイトルが書いてあり、その下に行司(ぎょうじ)の欄として22店の名が並んでいます。ここに名が書かれているのは江戸の料理茶屋でも別格のお店で、一番下に大きく書かれた3店「平清」「八百善」「嶋村」は別格中の別格、いわば三ツ星。

さらにその3店のなかでも中央にどーんと書かれた「八百善」は超絶別格料理茶屋ということになります。

江戸随一といわれた名店「八百善」(『江戸高名会亭尽』「山谷」歌川広重 画)
(『江戸高名会亭尽』「山谷」歌川広重 画)
1717年(享保2)に浅草山谷で創業し、江戸随一の名店として浮世絵などにもたびたび登場した八百善。文人の高級サロンとしても有名で、庶民にとっては雲のうえの存在。

ちなみに、八百善は現在も健在!江戸料理の伝統を今に伝えています。

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