お客の目を引くアイデア満載! インパクト大の「モチーフ系」看板
江戸時代の看板にはユニークなものがたくさんありましたが、なかでもインパクト絶大な看板を「モチーフ系」「なぞなぞ系」に大別していろいろとご紹介しましょう。
まず、「モチーフ系」から。商売に関係の深いものがデザインされています。
さて、トップバッターはこの看板。
これは「両替屋」の看板です。モチーフになっているのは両替商が使う秤の分銅。オシャレです。両替屋の看板にはほかにも、お金(貨幣)をモチーフにしたものもありました。
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次はこれ。
これはわかりやすい看板。ズバリ、筆屋さんの看板です。長さは40cmほどもある巨大な筆で、遠目にもわかるようにずんぐりむっくりにしているんだそう。だが、それがカワイイ。
次はこれ。
これもひじょうにわかりやすい。はい、団扇屋さんです。幅46cm、長さ80cmとこれまたデカイ。風が強い日とかちょっと怖いんじゃないでしょうか。
次はこれ。
鍵屋さんの看板です。看板のモチーフになっているのは錠前です。文字の入れ方がステキです。
次はこれ。
床屋さんの看板だそうですが、ちょんまげ!これはフォトジェニック感ハンパない。今なら外国人観光客がバシバシ写真を撮りそうです。
次はこれ。
ちょっとわかりづらいですが、でっかいソロバンがあります。これは、江戸随一のショッピングストリートに店を構えるソロバン問屋の看板です。すごいな、江戸時代。あぁ、絶対にジャラジャラ鳴らして店主に怒られる子どもいたはず。
次はこれ。
大福帳の巨大模型を看板にしたのは帳面問屋。これも目立つこと請け合い。大福帳の模型看板を使ったのは江戸だけで、京や大坂の帳面問屋は青竹を看板にしたんだとか。それはそれで目立ちそう。
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次はこれ。
足袋屋さんの看板ですから、モチーフはもちろん足袋。江戸も京も大坂も足袋屋さんはだいたいこの看板だったとか。
次はこれ。
ちょっと現代人にはわかりにくいかと思いますが、これは煙草屋さんの看板です。モチーフになっているのは煙草の葉っぱ。当時は紙巻きタバコではなく葉タバコですからね。「刻」「箱入」「袋入」と看板に書かれているのは、刻んだタバコの葉っぱを「箱詰め」「袋詰め」にして販売していたという意味。
次もタバコ関係。
これはわかりやすい、煙管屋さんです。「東京」の文字からもわかりますが、江戸時代ではなく明治時代のもの。色もカラフルで、デザインもまたオシャレですね〜。この看板は縦150cm以上もあるとっても巨大な看板。当時なら成人女性より大きいくらい。ちなみに「東京地張」とは「東京製の煙管」を意味するんだとか。
次もわかりやすい。
「あめ」と書いてあるので丸わかりですが、飴屋さんの看板です。金と赤と黒の色づかいがゴージャス⭐︎ 壺は正面を向いているのに、台は斜めーーこれにより目の錯覚で立体的に見せています。看板にはこんな視覚マジックも応用されていたんですね。
飴のほか、酒や酢など液体状のものを販売するお店はこのように容器を看板のモチーフにすることがよくありました。
最後もかなりのインパクト。
うーん、これはイイ足。「かつけ治療所」と書いてあるように「脚気(かっけ)治療所」の看板です。足そのものを看板にしてしまうところにただならぬセンスを感じます。
余談ですが、江戸っ子は白米を1日5合食べるなど偏った食生活をしていたので、ビタミンB1不足により江戸っ子は「脚気」によくかかりました。そのため「江戸わずらい」なんて別名もありました。
ここまではインパクト大だけどわかりやすい看板をご紹介しました。さて、お次は“頭の体操”にもなる「なぞなぞ、クイズ系」の看板です。頭をやわらか〜くして見てみてください。
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