次は歌川広重。いわずと知れた日本を代表する浮世絵師で、世界的にもその評価は抜群。斬新で独創的なアングルの風景画で大人気となり、北斎の人気を奪うほどだったとか。
波の表現が尋常じゃない
広重さん、斬新すぎです。なんですかこの波。粘度が高そうです。正面にどっしり構える富士山との対比がおもしろいですね。
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メインモチーフが尋常じゃない
絵のメインが馬の尻という普通じゃない感。これは広重の代表的シリーズ『名所江戸百景』のなかの1枚です。ユニークな構図が多い同シリーズのなかでも特にユニーク。なにせ馬の尻です。ちゃんと馬糞も落ちてます。
あれ!?猫村さんがいる
どっからどう見ても『今日の猫村さん』です。猫が糠袋(ぬかぶくろ)=江戸時代の洗顔料で顔を洗っています。表情がかわいすぎます。それにしても江戸時代の絵師は猫好きが多いですね~。
鷹の目による鳥瞰
歌川広重作の大ヒットシリーズ『名所江戸百景』のなかでも、もっとも印象深い。斬新な構図は160年後の現代でも新しい。
次は司馬江漢。江戸時代後期の絵師で蘭学者です。お友だちには大天才で大奇人の平賀源内がいます。“類友”で江漢も多才にしてかなり変わった人だったもよう。
これも江戸時代の作品
コバルトブルーの海がきれい。中央に江ノ島、その向こうには富士山も見えます。色合いといいタッチといい江戸時代の作品とは思えません。じつはこれ油絵なんです。司馬江漢は独学で油絵を描き西洋画の先駆者のひとりとなりました。
最後は鈴木其一(きいつ)。「最後の琳派」といわれる江戸時代後期の絵師で、近年人気急上昇中。琳派といえば本阿弥光悦や俵屋宗達を祖にし、金色が印象的な絢爛豪華な屏風絵でおなじみですが、其一は伝統的な琳派に独自のセンスを加えモダンな作風を確立しました。
鮮烈な青
其一の代表作。金地に目にも鮮やかな朝顔の青、生命力を感じさせる葉の緑、花の中心の白……それらが相まってなんともモダンな印象を受けます。リズミカルに咲き乱れる朝顔とうねるような蔦はまるで生き物のようです。うっとり。
見たことのない新世界
こちらも渓流の青が鮮烈。音を感じさせない金地の背景と対照的に、生命力あふれる木々と渓流は画面から浮かび上がって見えます。流れる水の音まで聞えてきそうです。其一の作品はエッジがきいていて五感が刺激されます。
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