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古今無双のクールな鶏
『動植綵絵(どうしょくさいえ)』より「南天雄鶏図」 1765年
真っ赤な南天の木をバックに、真っ黒な軍鶏が雄雄しくポーズを決めています。黒と赤の配色がとにかくカッコイイ。見ていると気合が入ります。軍鶏の羽の繊細さも見所。
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作者は、江戸時代中期に京で活躍し、昨今「奇想の天才絵師」として大人気の絵師・伊藤若冲(じゃくちゅう)です。では、まずは多彩で幻想的な若冲ワールドからご紹介。
神々しき白

『動植綵絵(どうしょくさいえ)』より「老松白鳳図(ろうしょうはくほうず)」 1765~66年頃
さきほどの鶏と同じく若冲の代表的シリーズ『動植綵絵』のなかの1枚。伝説の霊鳥・鳳凰が旭日に向かい羽を広げています。どうですか、この白の神々しさと繊細さ。それに尾端はまるでハート。神聖な印象と同時に妙なエロティックさも感じさせます。

秀逸なのは鳳凰のこの眼差し!
ひょうきんな虎(足ぺろぺろ)

『虎図』 18世紀後半
ぜんぜん猛々しくない虎。むしろカワイイ。肉球もむっちむちです。ちなみに、本物の虎は見れないので李龍眠作といわれる「虎図」を模写したそう。若冲さん、どうしても虎が描きたかったみたいです。

よく見ると毛の1本1本が墨で描かれています。舌のザラザラも。
コロコロのモフモフ

『百犬図』 1800年
画面いっぱいに描かれているのはコロコロでモフモフの子犬たち。わんわんパラダイス。タイトルは『百犬図』ですが実際は59匹。

表情豊かな子犬たち。最晩年の作品ですが、いささかも筆の衰えを感じさせません。むしろ冴えて澄んでいます。
シンプル&大迫力

『象図』 18世紀後半
みっちみちに象が詰め込まれています。いや、狭いところから出ようとしているのか? シンプルな線だけでこんな大迫力の象を描く若冲、やはり奇才です。
オシャレなしゃれこうべ

『髑髏図』 18世紀後半
このままTシャツにできそうなデザインです。不気味な髑髏がなんだかユーモラスなのは若冲ならでは。
見ているだけで幸せ気分

『伏見人形図』 1800年
若冲、最晩年の作。描かれているのは布袋さまの伏見人形。コロコロという足音が聞えてきそうです。