「鬼は外、福は内」以外のバリエーションもあった豆まきのかけ声


豆をまく時のかけ声といえば「鬼は外、福は内」がスタンダード。しかし、ところ変わればかけ声変わる。場所により豆まきのかけ声にもいろんなバリエーションがあるんです。

たとえば、先ほどご紹介した浅草寺の節分会。そのかけ声は


「千秋万歳福は内」


観音さまの前には鬼はいない、という理由から「鬼は外」と唱えません。

七代目・市川團十郎の豆まき(『十二組の内 七代目三舛の豆まき』歌川豊国 画)
名優とうたわれた七代目・市川團十郎の豆まき(画像中央)。團十郎のかけ声はどんなものだったんだろう(『十二組の内 七代目三舛の豆まき』歌川豊国 画)

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この【「鬼は外」とは唱えない系】はよくあるようで、成田山新勝寺も「不動明王の前に鬼はいない」という理由で「鬼は外」と唱えません。

ほか、たとえば若狭国小浜(現・福井県小浜市)にあった問屋では、「『鬼は外』は『大荷(おおに)は外』に通じるので商売上縁起が悪い、という理由から、こう唱える家もありました。




「福は内、鬼は内」


鬼も迎え入れちゃう器のデカさ。

また、「恐れ入谷の鬼子母神」で有名な仏立山真源寺(東京都台東区)。鬼子母神(もと鬼神だったけど仏教に帰依し子どもの守り神になった神さま)を祀っているので、やっぱり「鬼は外」とは唱えません。そのかわりといってはなんですがこう唱えます。



「福は内、悪魔外」


なんという変化球。悪魔ってなんか斬新。

また、二本松藩(現・福島県二本松市付近)。藩主が「丹羽」という苗字だったため、「鬼は外」と唱えると「お丹羽外」と聞こえちゃうのでこれはまずい、となり、こう唱えるようになったんだとか。




「鬼〜、外〜」


細やかな気配り!「は」を抜いてます。

このユニークな風習は今でも受け継がれているようです。

さらに、「九鬼(くき)」とか「鬼頭(きとう)」とか苗字に「鬼」がつく家でも「鬼は外」以外のバージョンを使用することが多かったんだとか。

そのほか、「福は内、福は内、鬼は外」と「福は内」を2回唱えるバージョン(奥州白川など)や、「福は内、福は内、福は内、鬼は外、鬼は外」と唱えるバージョン(和歌山)なんかもありました。

豆まきのかけ声ひとつとってもいろいろあっておもしろい。自分の故郷のバージョンを調べてみるのも楽しいかもしれません。

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