今に残る遊びもいっぱいの室内遊び
さて、お次は1年を通して子どもたちが楽しんだ室内遊びいろいろをご紹介しましょう。
女の子はいつだってお人形が大好き
人形遊び
- 遊ぶ子どもの性別:女の子
- 今でも見る度:★★★★☆
リカちゃん人形やバービー人形など、かわいらしいお人形を使っての着せ替え遊びやおままごとはいつの時代も女の子の遊びの定番。
江戸時代に女の子の遊び用人形として普及したのが「姉様人形」と呼ばれる人形です。手足はなく、顔も目鼻が省略されているのが特徴で、着物には粋なデザインの千代紙が使われました。
髪型や帯の結び方には、遊女や町娘など職業や年齢が反映されており、女の子たちは人形を使って流行のファッションやヘアスタイルを楽しみながら覚えました。
地域ごとの特色を持つ姉様人形が全国各地に誕生し、江戸特有の「江戸姉様」は江戸土産としても人気がありました。
そのほか、今では手に取って遊ぶことはほとんどない市松人形も、江戸時代の女の子たちは抱っこしたり着せ替えをしたり、現代のポポちゃん人形のようにして遊びました。
スポンサーリンク
次。
シンプルだからこそ夢中になる
あやとり
- 遊ぶ子どもの性別:女の子
- 今でも見る度:★★★★☆
1本のヒモを指にからめてさまざまな形をつくるシンプルな遊び「あやとり」。なんとなく日本固有の遊びというイメージがありますが、じつは世界中に同じような遊びがあります。起源については諸説あり、一説には世界中で自然発生的に誕生したとも。
日本では江戸時代に女の子たちの遊びとして定着し、浮世絵にもそのようすが描かれています。呼び方も各地で違いがあり、江戸では「あやとり」、上方では「いととり」、地域によっては「たすきどり」「とりこ」などさまざまな呼称があったそう。子どもだけでなく大人の女性もあやとりを楽しみました。
次。
江戸時代から今に続く紙の芸術
折り紙
- 遊ぶ子どもの性別:主に女の子
- 今でも見る度:★★★★☆
1枚の紙が鶴になったり、舟になったり、箱になったり、人形になったり……折り紙の可能性は無限大。現代では「これが折り紙!?」と仰天するようなものすごい芸術的な折紙を生み出す達人もいますよね。
ちなみに、「折り紙」という呼び方がされるようになったのは明治時代からで、江戸時代には「おりすえ(折居)」とか「折形(おりがた)」とか「をりもの」などと呼ばれていました。また、江戸時代の折り紙は、遊びとして広まった“遊戯用折り紙”と、儀礼の席での飾りや贈答品の飾りとして使われた“儀礼折り紙”の2種類がありました。
「遊び」としての折り紙は女の子の代表的な遊びのひとつでしたが、折り紙に夢中になったのは子どもだけでなく、大人の女性や下級武士にも折り紙好きがたくさんいました。さらに、折り紙の芸術性の高さはファッションにも取り入れられ、折り鶴をデザインした着物もありました。
次。
次ページ:老若男女が夢中になった室内ゲームの代表格といえば?