江戸版レインコート、合羽(かっぱ)
もうひとつ雨の日に活躍したレイングッズが合羽。この「合羽」という言葉、じつはポルトガル語の「capa」の当て字なんだとか。合羽の原型は、16世紀に来日した南蛮人がまとっていた長い袖なしマントで、当初は羅紗(らしゃ)やビロードなど高級素材が使われ、織田信長や豊臣秀吉といったオシャレ武将に珍重されました。
江戸時代になると和紙に油を塗り防水加工を施した「紙合羽」が登場し、安い・軽い・便利、と三拍子そろっていることからあっという間に庶民にも広まりました。
さらに木綿の生産が増えた江戸時代中期には、木綿の合羽も登場、袖付きで小袖の上に着る木綿合羽は前が開かないようヒモが付いているという細やかな心配りも。
また、表地と裏地の間に防水用の油紙を入れた「引廻し合羽(ひきまわしかっぱ)」は旅行の必須アイテムとして大人気でした。
体に身につける雨具としてもうひとつ忘れてならないのが蓑(みの)。蓑は合羽が登場するまでは主役級でした。
蓑の素材である藁(ワラ)は撥水性があるうえ、雨粒があたっても繊維に沿って流れ落ちるため内部には水が染み込まないという優れもの。
しかし、めちゃくちゃかさばる、火気は厳禁(ワラなのでいい感じに燃える)、という痛すぎる弱点もありしだいに廃れていきました。それでも江戸時代にはまだまだ現役で活躍していました。
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雨の日だって足元にはこだわりたい!
最後は足元の雨の日グッズについて。着物を着ていた江戸時代、雨の日に着物の裾が汚れないように履いていたのが「足駄(あしだ)」です。「高下駄(たかげた)」ともいいます。これは歯が高い下駄で、平安時代からあったとか。
明治時代になるとつま先が泥で汚れないようカバーが付いた足駄も登場しました。
江戸時代にもさまざまなレイングッズ(雨具)があったようです。たまには気分を変えて蛇の目傘をさしてみるのもいいかもしれませんね。
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