そもそも「すし」ってなに?
ちょっとここで、そもそも「すし」の語源ってなんぞや?というところをひもといてみましょう。「すし」の語源は、すっぱいを意味する「酸し(すし)」といわれています。また「すし」には「寿司」のほか「鮨」「鮓」の字が使われますがこれらには違う意味があります。
まず「寿司」、これは江戸時代後期に作られた言葉で、「寿を司る食べ物」という意味として、縁起かつぎとシャレが好きな江戸っ子らしい「当て字」といわれています。
続いて「鮨」、もともとの意味は「魚の塩辛」ですが、やがて「鮓」と混同されていきました。最後の「鮓」は、塩や糟(かす)、発酵させた米に魚を漬け込んだ保存食を意味します。
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花見にもお寿司!
花見の宴の真っ最中。どんなごちそうが並んでいるか見てみると……ありました、お寿司! 画面右下の桶のようなものの上に乗っています。海老や光り物の握り、玉子巻きなど定番ネタですね。
また、「すし」といっても大きくわけて次の3種類があり、これらは調理法も誕生した時代も違います。
- 熟れ鮨(鮓)なれずし
- 鮨の原点と考えられており、滋賀県の鮒鮨(ふなずし)がよく知られています。炊きあげた穀物のなかに魚を詰め込み発酵させたもので、その発祥は東南アジアといわれ、平安時代(奈良時代とも)に中国から日本へ伝わったといわれています。冷蔵庫などがなかった時代に魚を長期保存するための知恵として生まれた料理です。
- 生なれ(半なれ)鮨
- 熟れ鮨になる前、発酵期間を短くし米の原型を残したもの。日本では室町時代に誕生したといわれています。秋田県のハタハタ鮨などが有名です。熟れ鮨は発酵させた穀物は食べませんが、生なれ鮨の場合、ちょっと発酵しすっぱくなった米も魚と一緒に食べます。これは早ずしが誕生する基礎となったといわれています。
- 早ずし
- 穀物を発酵させず代わりに酢で酸味をつけたすしの総称で、押し鮨や握り寿司もこれに当たります。酢を用いた例は江戸時代初期から記録に散見されるようになります。江戸に押し鮨が上方から伝わったのは江戸時代中期といわれ、握り寿司が登場するまで「すし」といえば押し鮨であり、振り売りなどでよく売られていました。
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