授業料は野菜払い!? 江戸時代の高い教育水準を支えた「寺子屋」が柔軟すぎる

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幕末に訪日した外国人は日本人の識字率の高さに驚愕したそうです。江戸時代の教育水準を支えた「寺子屋」の柔軟な教育方針についてまとめました。

江戸時代の子が字の練習中(『五常』「智」鈴木春信 画)
女の子が先生に手を添えられて字の練習中(『五常』「智」鈴木春信 画)

全国総数は2万軒!?寺子屋が全国各地にあったワケ


ご存知のように江戸時代は士農工商の身分制度が確立していた封建社会。そのため、教育機関も身分によって次のように大まかにわけられていました。

  • 武士(藩士)の子ども→藩校
  • 庶民の子ども→寺子屋

このほか、藩校と寺子屋の中間的存在で下級武士から町人、農民まで幅広く受け入れた「郷学(校)」と、専門的教育を受けられる「私塾」というものがありました。


庶民の学校といえば「寺子屋」としてその名は有名ですが、じつは江戸では「寺子屋」とは呼んでいなかったそう。「手習(てならい)」「手習指南所」「手跡指南(しゅせきしなん)」「筆道稽古(ひつどうけいこ)」などと呼んだんだとか。

ですが、ここでは一般に使われる「寺子屋」で話をすすめていきましょう。ちなみに、「寺子屋」という名称は、江戸時代より前の中世に寺が教育の場として使われていたことの名残なんだとか(諸説ありますが)。

寺子屋の授業風景をちょっと見てみましょう。

男女別の寺子屋風景を描いたもの(『文学ばんだいの宝』一寸子花里 画)
(『文学ばんだいの宝』一寸子花里 画)
こちらは、男女別の寺子屋風景を描いたもの。たくさんの子どもたちが勉強中ですが、机の向きはバラバラだし、勉強に来ている子どもたちの年齢もかなりマチマチです。

先生はどこかというと、画像左奥と右奥に座っています。それにしても、子ども同士でふざけたり、先生にイタズラしたり、無法地帯です。

寺子屋は「現代の小学校のルーツ」みたいに表現されることもあるのですが、似ている点もあり大きく違う点もあります。


まず、現代の小学校は多くが公立、つまり市町村が管理・運営していますが、寺子屋の経営者は先生本人、つまり民間の教育施設です。なので、幕府や藩とは一切無関係。援助もないかわりに介入もありませんでした。

ところで、どれくらいの寺子屋が全国にあったと思いますか? 諸説ありますが幕末にあった寺子屋は日本全国で見るとその数なんと…


1万5000~2万軒ほど

江戸だけでも1000~1300軒ほどもあったとか。ちなみに、現在、全国の小学校の学校数が2万601校だそうなので、ほぼ同数です。いかに寺子屋が全国のあちこちにあったのかが想像していただけるんじゃないのでしょうか。

たくさん寺子屋があった理由は、それだけ需要があったから。「学問なくして将来いい暮らしはできない」。町人にしても農民にしてもある程度のポジションにつけるようになるには文字学習が必須だったんです

越後屋の店内(『職人尽絵詞』より/北尾政美 画)
(『職人尽絵詞』より/北尾政美 画)
これは江戸を代表する呉服店・越後屋の店内。画像右端にいるのは番頭でしょう。番台で帳面をつけています。商人にとって、文字を読んだり、描いたり、計算が必要不可欠なのは想像しやすいかと思いますが、大工も図面を引くには読み書き計算ができなければ棟梁になれません。

農民にとってもそれは同じ。村の運営に関わるリーダー格になろうとしたら、読み書き計算は必須でした。もし、文字が読めなければ領主からのお触れも理解できません。

現代でも「将来、エラくなりたかったら勉強しなさい!」と親や先生が口をすっぱくして子どもに言いますが、そのあたりは江戸時代も同じだったようです。

で、就学率はどれくらいだったかといいますと、幕末の江戸では就学率 約80%だったとも(諸説ありますが)。これは、当時の欧米と比較しても非常に高い就学率だったといわれます。子どもたちは当たり前のように寺子屋に通っていたみたいですね。


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  2. 先生にイタズラをしかける悪ガキ(歌川広重画)/机の向きはバラバラだし、子どもたちの年齢もマチマチ。子ども同士でふざけたり、先生にイタズラしたり、無法地帯です

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