きゃんきゃん
なにこのかわいいワンコ。画賛の「きゃんきゃん」がまたかわいさを倍増させています。これにも禅の教えがあるのか、それとも単にかわいいワンコを愛でればよいのか、謎は残りますがとにかくかわいいは正義です。
犬といえば“かわいい江戸絵画”の代表的モチーフですが、仙厓和尚も犬をたくさん描いています。しかも、どれもこれもコロコロしてかわいい。ということで、犬を何匹か。
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きゃふんきゃふん
先ほどのワンコもかわいかったですが、こっちのワンコはもっとかわいい! 鳴き声が「きゃふんきゃふん」て。そんな鳴き声、いまだかつて聞いたことありませんが、なんだかクセになる。お腹にぐるりとヒモを結ばれ杭につながれたワンコ、ちょっぴり切なそうな表情がまた愛おしい。
次も犬。
ふわっとしたなにか
博多の年祝い唄を口ずさんでいる(と思われる)男性がなにか“フワフワ”を連れて歩いています。ひと筆書きで描いたようなワンコはもはや犬っぽくない。でも、かわいい。人が「かわいい!」と感じるものの根源に通じている気がします。
次も犬・・・なの?
トカゲじゃないよワンコだよ
一匹はワンコとわかる。もう一匹、ワンコがいるはずなんですが・・・え?トカゲ??
奥にいるワンコも思わず二度見。
ものの数十秒でささっと描いたんじゃないでしょうか。でも、犬なんです。ちなみに画賛は「いざなぎハ土用に犬を見玉ハす」。1年で一番暑い土用の時期、人間は精力が落ちるけど多産で知られるイザナギ・イザナミの神と犬はそんなこと無関係、というような意味らしいです。
次、犬ときたら猫。
メガネかけてる?
描かれているのは猫。目の表現がユニークですね。まるでメガネをかけているみたいに、くっきりまん丸い。あと、シッポの筆さばきのスピード感がすごいです。こちらの猫ちゃん、どうやら恋をしているそうで、恋のお相手を想いながら「ニャムニャム」と鳴いているところ。
画賛に「南無妙法蓮華経」とあるのは、猫の声に仏性を見たのか、それとも読経も猫の声と同じようなものということ? 仙厓流のなぞかけに自分なりの答えを考えるのもまた楽し。
次は猫? 虎??
虎のつもりが…
「仙厓さん、虎の絵を描いてくださいな」「ほいよ」サラサラ〜。(あれ?虎を描こうと思ったら猫っぽくなっちゃった・・・「猫ニ似タモノ」って書いとこ)カキカキ。という、やりとりがかつてあったのでしょう。仙厓和尚、お茶目すぎます。でもたしかに虎には見えないですね。
今度こそ虎。
勢いで勝負
「虎といえば迫力が大事だよね」と言わんばかりにとにかくダイナミックに描いてみた、の巻。ど迫力なのですが、ちっとも怖くありません。むしろ、愛嬌のかたまり。特に口元。鋭い牙はないし、なんだかギャグ漫画的表現の丸さ。表情も威嚇しているんじゃなくて、完全にビックリしてるよね、これ。でも、この作品、個人的に一番好きです。
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