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日が暮れると妓楼には灯りがともり、吉原はにわかに活気づきます。各妓楼では三味線によるお囃子(はやし)が弾き鳴らされ(清掻/すががき)、これが合図となり「夜見世」が始まります。
大行灯(おおあんどん)の灯りに照らし出された遊女たちの美しさ!昼見世とはまったく異なる妖艶な空気が漂っています。
ちなみに、格子の内側の座敷に座る場所は遊女のランクによってちゃんと決まっており、たとえば正面の上座にはその妓楼のナンバーワンが座りました。
さてさて、吉原といえば忘れてならないイベントが花魁道中。日暮れ頃から吉原のメインストリート・仲の町で行われるこの華やかなイベントは、吉原にやってくる人々にとっても大きな楽しみでした。
妓楼で全盛を誇る花魁が2人の禿(かむろ)を共に従え、高さ約15~18cmもある黒塗りの下駄をはき「外八文字(そとはちもんじ)」と呼ばれる独特の歩き方でゆっくりゆっくり練り歩きました。
花魁の後ろには新造や大きな傘を掲げた奉公人(若い者/わかいもの)も続き、絢爛豪華にパレードしました。
花魁道中で花魁が向かうのは、仲の町にある引手茶屋(ひきてぢゃや)というお客と妓楼との仲介業などを行うお店。
格の高い妓楼で遊ぶ場合、お客は必ずこの引手茶屋を通さねばなりませんでした。
花魁は引手茶屋の店先で“顔見せ”をし、お金持ちのお客が花魁を指名すると引手茶屋の2階でちょっとお酒を飲んだあと、ほどよいところで妓楼へ宴席を移しました。
これまた花魁道中のように豪華な見物でした。
先頭を歩くのはお金持ちのお客。なんだか誇らしげです。新造や花魁、奉公人たちがそのあとに続きます。妓楼の2階に上がったお客は花魁と楽しいひと時を過ごしました。
一方、夜見世に並ぶ遊女たちもお客から指名が入れば2階へ上がり接客をしました。
こちらは妓楼の2階を描いたもの。華やかな遊女たちやごちそうを運ぶ奉公人、お客など多くの人々が廊下を行き交っています。各部屋には遊女とお客の姿も見えます。さぞや賑やかなことだったでしょうね。