お団子のほかにも秋の恵みをお供え
豊作祈願や収穫への感謝の意味も込められていた月見。
地域によっては十五夜にその時期に収穫されたサトイモをお供えしたので、十五夜を「芋名月」と呼んだりします。また、十三夜の時には栗や豆をお供えしたので、十三夜には「栗名月」「豆名月」なんて別名もあります。
収穫時期によってお供え物も変わり、それにより呼び方も変わる。ちょっとオモシロイですね。
ほかにも、秋が旬のフルーツである柿やブドウ、梨などもお供え物としてメジャーだったようです。
江戸時代にもブドウがあったことにビックリ。どうやら山梨県では鎌倉時代から栽培が始まったそうです。ブドウの歴史、意外と長し!
また、江戸時代後期、十五夜の夕食には蛤(はまぐり)のお吸い物を食べる、という風習もあったともいわれています。
ほかにも、お神酒や季節の野花などもお供えしました。とにかく、「その時にとれたものを感謝の気持ちを込めて月にお供えする」という感じでしょうか。
季節の行事が行われなくなりつつある現代ですが、由来を知るとちょっと今年はやってみようかな、と思ったり。美しい月を眺めながら久しぶりの月見を楽しむのもオツではないでしょうか。