江戸時代のSFマンガ!? 未来予知がかなり的中していてコワイ
『無益委記(むだいき)』
恋川春町 作・画(1781年)
~あらすじ~
かの聖徳太子が未来を予想して書いたといわれる『未来記』のパロディ。時は人王三万三千三百三十三代に当たる頃、今(江戸時代)とはすっかり変わり果てた世界とは――
かの聖徳太子が未来を予想して書いたといわれる『未来記』のパロディ。時は人王三万三千三百三十三代に当たる頃、今(江戸時代)とはすっかり変わり果てた世界とは――
上の画像では、新しいもの好きの人が多いため、春が旬の鰹(かつお)が冬にも売られる。アンテナのように細長い髷(まげ)、めちゃくちゃ太い帯、だらしないほど長い着物……と、繁華街へ遊びに行く若者のファッションが奇抜になる。
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「食べ物の旬がなくなる」「理解不能な若者ファッション」あれ?どちらも現代に通じますね。それにしても髷がすごい。刺さりそうです。
男女逆転現象が起きる。女性はメンズファッションに身を包み、男の遊女(遊男?)も誕生。女性の立場が強くなり、ついには男性を金で買うように。
「男女逆転」はたしかに今の時代にもよく言われますね。男の遊女は……女装男子の元祖ってこと?
高齢化社会となり、遊郭には老人のお客ばかり。ちなみに、芸者も高齢化。高齢化社会の先取りです。
恐ろしいほど的確に未来を予想している黄表紙。作者は「絶対こんなことありえないこと書いたろ」と思っていたかもしれませんが。
江戸版大人の絵本・マンガといわれる「黄表紙」。シュールでぶっとんだ世界観に衝撃をうけるとともに、日本人の好きなものって時代が変わってもあんまり変わらないんだなあと感じてしまいます。