江戸時代における美人の条件は?
まずこちらの有名な美人画をご覧ください。
これは美人画の大家・喜多川歌麿による『ビードロを吹く娘』というタイトルの美人画。描かれているのは当時(18世紀後半)評判だった町娘です。今でいうと、「うちの町にガチ美少女を発見」とか騒がれる感じでしょう。
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この美人画からもわかるように江戸時代の美人の条件を箇条書きにするとこんな感じ。
- 面長
- 切れ長で涼しげな一重
- 鼻筋の通った中高の鼻
- 小さな口
- きめこまやかで白い肌
- 美しく豊かな黒髪
とはいえ、江戸時代は260年以上続いた長い時代。そのため、美人のタイプやトレンドも時代によってかなり変化していました。まだ写真がなかった時代にブロマイド的役割を果たしていた美人画をもとに時代ごとの美人トレンドを追ってみましょう。
江戸美人の原点?江戸時代初期の美人
江戸時代初期に活躍し「浮世絵の祖」ともいわれる浮世絵師・菱川師宣(もろのぶ)の代表作がこちらの『見返り美人図』。
これは美人なのか…?
手放しで江戸美人を褒める記事を書こうと思っていたのですが、300年後の現代人からすると正直よくわからない。
ですが、色白できれいな鼻筋をしています。すでに色白は美人の必須条件だったようです。江戸時代初期の美人の特徴として「ふっくらとした丸顔」もポイント。殺伐とした戦国時代の気風がまだ残っていた江戸時代初期、癒し系が人気だったのでしょうか。
ちなみに、目を引く特徴的なこの髪型は17世紀後半に流行した「玉結び」と呼ばれるヘアスタイルで下げ髪の先端をくるりと丸めています。なかなかオシャレ。
江戸時代初期の美人条件をまとめると……
- 色白
- 豊かで美しい黒髪
- ふっくらとした丸顔
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