【画像あり】江戸時代の妖怪絵巻がゆるカワ過ぎてほっこりする【厳選5作品】

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近年の妖怪ブームで注目を集める妖怪界。妖怪をテーマにした展覧会は大人気。今回は数ある妖怪絵巻のなかでもとってもユニークでカワイイ5作品を紹介。

『別世界巻』より
(『別世界巻』より)
「まぁ、のんびり見てってくれよ」

毎日が肝試し!豪胆ボーイVS妖怪軍団の30日戦争


<1作目>

『稲生物怪録(いのうもののけろく/いのうぶっかいろく)』
『稲生物怪録(いのうもののけろく/いのうぶっかいろく)』

~あらすじ~
時は江戸時代中期。備後国三次藩(現・広島県三次市)に住む16歳の稲生平太郎少年は、友人と面白半分に肝試しをする。百物語をしたあと、草木も眠る丑三つ時に、村人も畏れる山の古塚に詣でたのだ。しかし、豪胆な平太郎少年にとって、こんな肝試しなんてことなかったもよう。だが、この行為が妖怪たちの怒りを買う。肝試しから2ヶ月後の7月、平太郎少年に不可解な出来事が起こり始める――


巨大生首が現れた!

巨大な生首(『稲生物怪録』より)

毛むくじゃらの一つ目大男が現れたのを皮切りに、平太郎少年のところへ、毎日、妖怪がやってきて驚かせようとします。

これは怪異が起こるようになって3日目のこと。部屋の隅から現れたのは女性の生首。しかも逆さま。美しい笑顔で怖さ倍増!

ぞわぞわと近づいてくると平太郎をペロリ。でも肝の座った平太郎少年は涼しい顔。

この少年…できる!

カニみたいな変なバケモノが現れた!

カニみたいな変なバケモノ(『稲生物怪録』より)

5日目。今度の刺客はカニのようなバケモノ。飛び出した目玉とウジャウジャした足がキモチワルイことこの上ない。

同席していた友人などは「このやろう」とばかりに、ほとんど正気を失うほど殺(や)る気マンマンなのだが、平太郎少年は「まあ、ちょっと落ち着きなよ」と言わんばかりの余裕ぶり。

知人の頭がパックリ割れて中から…赤子!?

知人の頭が割れて赤子が這い出してきた(『稲生物怪録』より)

10日目。平太郎少年の知り合いが訪ねてきた。話をしていたら、なんと知人の頭がパックリ。

しかもそこからワラワラと赤子が這い出してきた

これはかなり怖い。

しかし、恐怖を感じる神経がぷつりと切れているのか、にじり寄る赤子に平太郎少年は「ほぅ」とばかりの平気の平左。どんだけ?

それにしてもこの赤子、おしりがプリプリである。


りんごアメじゃないよ!生首だよ!

串刺しの真っ赤な生首(『稲生物怪録』より)

16日目。寝ている平太郎少年のところへ突然現れたのは、串刺しの真っ赤な生首

気持ち悪い…はずが、ぱっちり大きな目でなんとなくかわいらしい。

そして、相変わらず華麗にスルーする平太郎少年。妖怪たちがこれほど毎日がんばってるんだから、どうだろう、もう少しリアクションしてあげることはできないものか。

余談ですが、この生首、ジブリアニメ『千と千尋の神隠し』に登場するこれ(かしら)に似ていると個人的感想。

ジブリアニメ『千と千尋の神隠し』に登場する生首
画像引用元

まだまだ怪現象は続く。

ちょっとはビックリしてくれた?

沓脱石が石ではなく青入道(『稲生物怪録』より)

25日目の夜。庭に降りようとした平太郎少年、沓脱石(くつぬぎいし)の感触がいつもと違うことに気がついた。「おや」と思って下を見ると、それは石ではなくなんと青入道。

「あ、どうも」

「キミ、なにしてるの?」

「…あ、別に…」

お化け屋敷における不意に襲ってくるコンニャクに対するビックリくらいは青入道も期待したはず。妖怪チーム、もはや打つ手なしか…。

秘儀、ダブル攻撃!

口からミミズを吐き出す真っ赤な化け物(『稲生物怪録』より)

30日目。囲炉裏の蓋がやおら開き、吹き出した灰が真っ赤なバケモノに变化。それだけでは終わらず、口からゲバゲバとミミズを吐き出す

うへぇ。

さらに壁には巨大な顔も出現。妖怪側もダブル攻撃をしかけてきたようです。でも、見た目が怖くない、むしろカワイイ。これでは平太郎少年が怖がるはずない。

もう降参だよ~さよなら~

退散した妖怪軍団(『稲生物怪録』より)

30日目の夜。ついに平太郎少年VS妖怪軍団による戦いに幕が降ろされます。

妖怪たちの波状攻撃にまるでダメージを受けることのなかった平太郎少年に、妖怪軍団が白旗を上げたのです。ラスボスとして登場した妖怪軍団のボス・山ン本(さんもと)五郎左衛門も平太郎少年の勇気に感服。

「キミ、すごいね。こんな肝の座った人間、はじめて見た。あ、これ、悪い妖怪をやっつけられる木槌。これあげるね」と、言って木槌をプレゼントすると妖怪軍団を従え雲のかなたに去っていったとさ。めでたしめでたし。

終わってみれば鉄壁のスルー力で妖怪軍団の攻撃を無力化し続けた平太郎少年の圧勝。

ちなみにこの『稲生物怪録』は実話だというから、昔の日本に生まれなくてああ良かった。

真偽はともかくユニークな内容は当時から話題で、江戸後期の国学者・平田篤胤(あつたね)も夢中になったひとりでした。

有名かつ人気の題材で、異本や派生本もたくさんあり、微妙に違う妖怪のタッチを比べるのもまた楽しい。

近年では水木しげる大先生が『木槌の誘い』というタイトルでコミカライズしています。

『木槌の誘い』(水木しげる 作)
水木版の平太郎少年はなかなかいいリアクションしてくれてます。


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