松尾芭蕉

松尾芭蕉

まつおばしょう

出身
伊賀国
生年月日
1644年0月0日
没年月日
1694年11月28日
年齢
満50歳没

「俳聖」として世界的にその名を知られる江戸時代前期の俳諧師。民衆文芸だった俳諧を形式・内容ともに芸術として完成させ「蕉風」と呼ばれる句風を確立した。幼名は金作、通称は甚七郎、甚四郎、名は忠右衛門宗房。俳号としてははじめ実名の宗房を、次いで桃青、芭蕉と改めた。父は伊賀の土豪一族出身。長じて京にいた俳人・北村季吟に師事し俳諧の道に入り、29歳の時に初句集『貝おほひ』を上野天神宮に奉納した。その後、江戸へ下り日本橋、次いで深川に居を構え多くの作品を発表した。1684年8月には『野ざらし紀行』の旅に出、伊賀、大和、吉野、山城、美濃、尾張をまわり木曽、甲斐を経て翌年4月に江戸へ戻った。1687年10月には伊勢へ向かう『笈の小文』の旅に出発、1689年には弟子の河合曾良とともに『奥のほそ道』の旅に出た。この旅で数多くの名句を詠んでおり、代表的なものとして「夏草や兵どもが夢の跡」「閑さや岩にしみ入る蝉の声」「五月雨をあつめて早し最上川」などがある。1694年、滞在先の大坂で病に倒れ他界。最後の句は「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」。病床にありながらも推敲を続けたという。多くの門人を持ち、「蕉門十哲」と呼ばれた10人のほか、旅の途中で親交を結んだ門人が地方地方にいた。「松島や ああ松島や 松島や」の句は「古池や蛙飛び込む池の音」とともに芭蕉の代表作として有名だが、じつは松島の句は芭蕉の作ではなく、江戸後期の狂歌師・田原坊の作ではないかといわれる。また、芭蕉といえば隠密・忍者説がよく知られるが、『奥のほそ道』の旅は幕府からの密命を受けた芭蕉が密偵として仙台を偵察するのを目的としていたのでは、という説もあるが真偽は不明。

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年表

活躍の軌跡。『人生の残り時間』にも注目してください。意外な発見があります。

年月日 年齢(人生の残り時間) 内容
16440000 0歳(あと50年) 松尾芭蕉、生まれる
16941128 松尾芭蕉、病気にて死去

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松尾芭蕉にとくに関係の深い人物を紹介。家族や恋人、友人など。

  • 小林一茶
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    松尾芭蕉とおなじく江戸時代の三大俳人のひとり
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  • 与謝蕪村
    [その他] 与謝蕪村
    松尾芭蕉とおなじく江戸時代の三大俳人のひとり
    72歳年下

画像

現代に遺された肖像画像(肖像画)や記念画像。ゆかりの土地や墓所・銅像などの画像も。

エピソード・逸話

教科書には載っていない興味深いエピソードの数々。

松尾芭蕉のエピソード・逸話は見つかりませんでした…。

名言・辞世の句・最後の言葉

松尾芭蕉が語ったといわれる言葉。人柄や当時の心情が見えてきます。

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る辞世の句・最後の言葉
病に倒れた松尾芭蕉による、生涯最後の俳諧。「病中吟」と称した。
古池や 蛙飛びこむ 水の音
松尾芭蕉のもっとも有名な俳句。1686年刊行の『蛙合』(かわずあわせ)に収録された。読みは『ふるいけや かはづとびこむ みずのおと』。意味は『古い池から蛙が飛び込む音が聞こえてきた』でありきわめてシンプルである。季語は蛙。
夏草や 兵どもが 夢の跡
松尾芭蕉の紀行文『おくのほそ道』に収録された有名な俳句。読みは『なつくさや つわものどもが ゆめのあと』。場所は岩手県平泉町。
閑さや 岩にしみ入る 蝉の声
松尾芭蕉の紀行文『おくのほそ道』に収録された有名な俳句。読みは『しずかさや いわにしみいる せみのこえ』。場所は山形県の立石寺。
五月雨を あつめて早し 最上川
松尾芭蕉の紀行文『おくのほそ道』に収録された有名な俳句。読みは『さみだれを あつめてはやし もがみがわ』。場所は山形県大石田町。
荒海や 佐渡によこたふ 天河
松尾芭蕉の紀行文『おくのほそ道』に収録された有名な俳句。読みは『あらうみや さどによこたう あまのがわ』。場所は新潟県出雲崎町。
不易を知らざれば基立ち難く、流行を知らざれば風新たに成らず(不易流行)
弟子の向井去来が『去来抄』の中で取り上げている、松尾芭蕉が唱えていた理念。意味は「不変の真理を知らなければ基本の確立は難しく、変化を知らなければ新たな風が起こらない(進展がない)」ということ。

子孫

※参考:『月刊歴史百科』創刊号(1980年)など

松尾芭蕉の子孫は見つからなかったかも…。情報ある方、お知らせください。

博物館、史跡、銅像

ゆかりの品が展示されている主な博物館や記念館。現在でも残る墓所、縁のある土地にたてられた銅像など。

松尾芭蕉を演じた俳優

大河ドラマや映画などで、さまざまなタイプの俳優が演じています。

松尾芭蕉を演じた俳優は見つかりませんでした…。

松尾芭蕉を演じた声優

ゲームやアニメなどで、声優が新たな魅力で演じています。

松尾芭蕉の演じた声優は見つかりませんでした…。

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松尾芭蕉関連の情報

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同じ年に亡くなった人物

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満72歳没

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伊賀国の詳細、主な人物

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