えー、胸元をくつろげた男性が横たわっています。よく見ると胸元になにか乗っています。なんとハト(擬人化)です。
胸元にハト……そのココロは、つまり「はとむね」というわけ。
これは『胴人形肢体機関(どうにんぎょうからだのからくり)』という江戸時代後期の黄表紙(大人向け絵本)の挿絵なんですが、発想が斜め上すぎます。
作者は『南総里見八犬伝』で有名な曲亭馬琴、挿絵は北尾重政。
体の部品の良し悪しで吉凶を占う教訓先生が、言葉遊びに引っかけ正しい生き方を説く、というわりと真面目な内容なのですが、「はとむね」をはじめとにかく挿絵がシュール。
「膝小僧」なら膝に小僧がくっついているし、「獅子鼻」なら鼻のところにお獅子がいるし、「猫背」は期待通りに背中に猫が丸まっているという具合。
ぜひほかの挿絵もみてください。
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