『本朝廿四孝』「毛谷村六助」(歌川国芳 画)

落下し、はじけ、渦を巻く 今日の一枚 #42

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毎日うだるような暑さなので、水の表現が素晴らしい浮世絵をご紹介。


『本朝廿四孝』「毛谷村六助」(歌川国芳 画)
滝に打たれる一人の青年。

滝の流れはすさまじく、はじけ散る水しぶきに青年の姿は隠れてしまいそうです。

しかし、それに臆することのない青年にはなにか心に秘めた固い決意があるのか、その顔は真剣そのものです。

それにしても水の表現がスゴすぎる。

まるで龍の爪のようにも見える水しぶきは、勢いと重さ、冷たさまでも感じます。
画面下部の渦巻く水の流れも、仏様の座る蓮華座のごとし。

ちなみに、こちらの青年は、助太刀ものの傑作『彦山権現誓助剣』の主人公・毛谷村六助として知られる安土桃山時代の武将・貴田孫兵衛(きだまごべえ)。
実際の生涯は不明な部分の多い人物ですが、物語のなかの豪傑・毛谷村六助は人形浄瑠璃や歌舞伎で大人気となり多くの人々に愛されました。

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