『上野公園内国勧業第二博覧会美術館并(ならびに)猩々噴水器之図』(三代歌川広重 画)

文明開化の水しぶき 今日の一枚 #60

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142年前の今日、日本初の西洋式噴水がつくられました。


『上野公園内国勧業第二博覧会美術館并(ならびに)猩々噴水器之図』(三代歌川広重 画)
レンガ造りのいかにも明治の西洋建築といった感じの建物の前方、大勢の人々が物珍しそうな視線を送る先にあるのは、噴水です。

噴水の下部には優雅に泳ぐ鯉らしき魚影も見えます。

ユニークなのが噴出部分のデザイン。

なにやら人がいますが、彼らは能の演目で知られる『猩々(しょうじょう)』。
猩々たちが取り囲むのは高さ3mもある陶製のツボで、その上部から水が噴き出しています。

なんとも和洋折衷な趣のある不思議な噴水です。

ちなみに、これは1881年(明治14年)に上野公園で開催された第二回内国勧業博覧会の風景で、明治政府が日本の近代化のために行った展覧会のひとつです。

噴水を眺める人々の服装からも文明開化の香りがします。

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