描かれているのは高輪の牛町という場所。
遠くに見えるお台場(石垣のところ)にはたくさんの船が集まっています。
画面前面にどーんと描かれているのは牛車の車輪。その車輪の丸いラインとリンクするかのように空を彩るのは浮世絵には珍しい虹。
輪郭のない虹の表現は摺師(浮世絵を摺る職人)の腕の見せ所だったそう。
視線を地面に落とすと……かわいいワンコ発見! 落ちていた草履をくわえています。その傍らに落ちているスイカの皮に夏の名残を感じます。
歌川広重晩年の代表作シリーズ『名所江戸百景』はデフォルメをきかせた大胆な構図の風景画がたくさんあるのですが、こちらの作品などその好例です。
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