本日の一枚は、明治時代の浮世絵師・小林清親の意欲作『猫と提灯』(1877)。
真っ赤な首輪が可愛らしい猫ちゃんが、提灯のなかに逃げ込んだネズミを捕まえています。それでもなお逃げようと提灯から鼻先を出すネズミからは生きようとする必死さを感じます。
ところでこの作品、一見するとキャンバスに描かれた油絵のように見えますが、じつは木版画です。
「最後の浮世絵師」と呼ばれた清親は、最先端の西洋風油絵を木版画で忠実に再現してやろうとしたのです。
猫の毛の複雑な生え方を再現した彫師のプライドも感じられます。
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