参勤交代ってなんだ?
参勤交代の意味を簡単に説明しますと、幕府が全国の大名に対し、1年おきに江戸に来て一定期間住むように義務付けたものです。
諸大名からしたら1年ごとに江戸と国元を往復しなければなりませんでした。ちなみに、国元から江戸へ行くことを「参勤」、江戸から国元へ帰ることを「交代」といいます。
参勤交代の目的ですが、名目上は「徳川将軍家に対する軍役」。ですが真の目的は、幕府と諸大名との絶対的主従関係を明確にすることでした。
壮麗な大名行列は、つまり軍事パレード。1年おきに軍隊を率いて江戸へやって来て将軍にあいさつをする、これにより大名たちは自分たちの立場を思い知らされたわけです。
しばしば参勤交代の目的として「参勤交代で定期的に大金を使わせることで諸大名の力を削ぐ」ということがいわれます。ただし現在では、幕府には参勤交代で諸大名の経済力を圧迫しようという意図はなかった、という説が主流なんだそう。とはいえ、結果的には参勤交代がかなり諸大名の負担になったのはたしかです。
「人質」となった大名の妻子たち
江戸へやってきた大名は、将軍にあいさつしたあとすぐに国元に帰るわけではなく、自藩の江戸屋敷で1年を過ごしました。もちろん多くの家臣たちも1年間は江戸暮らしです。
ちなみに、諸大名の正室と跡継ぎの男の子は江戸にずっと住む決まりになっていました。つまり人質。300年前の東京には全国から集められた人質の妻子たちがたくさんいたのかと想像するとなんだかスゴイ。
余談ですが、夫婦といえど1年ごとにしか顔を合わせることができなかったため、こんな川柳もあります。
大名は一年おきに角(つの)をもぎ
多くの大名は奥方不在の国元に側室がいました。奥方は「あの人は向こうで側室と仲良くやってる…!!」と江戸で嫉妬の鬼と化す。
大名は江戸へ1年おきに来るたびに「お前が一番だから」と必死になだめて、嫉妬の鬼となった奥方の角をひっこめさせる、というわけです。
この記事を友達にシェアしよう!