増える初物、規制する幕府、そしてブームは下火に


初物ブームが過熱するにしたがって初物の種類もどんどん増えていきました。

江戸時代後期には季節によって次のような初物がもてはやされました。

  • 春 わらび、葉しょうが、つくし、たけのこ、新茶
  • 夏 カツオ、ビワ、なし、鮎、きゅうり
  • 秋 鮭、ナス、マツタケ、柿、みかん、かぼちゃ、新酒

などなど。

たけのこ堀を楽しむ女性や子どもたち(『下屋敷乃笋つみ』二代歌川豊国 画)
たけのこ堀を楽しむ女性や子どもたち。自分たちで手に入れるという方法もある(『下屋敷乃笋つみ』二代歌川豊国 画)
「初かぼちゃ 女房はいくらでも 買う気」

という川柳もあるように、女性は初鰹より初かぼちゃ派だったもよう。

初物が高値とはいえ初鰹に比べれば初かぼちゃなんて安いもの。かぼちゃ好きだった女性たちは初かぼちゃに飛びつきました。甘いかぼちゃは男性にはあまり人気がなかったようで、初かぼちゃをめぐっての夫婦喧嘩もあったようです。

もともと出荷量の少ない初物は、人気高騰とともに値段も高騰、全体的な物価高騰も引き起こすことになり、「ぜいたくがすぎる!」と見かねた幕府は初物の売り出しスタート日や期間を決めるなどさまざまな規制をかけました。しかし、規制が逆に江戸っ子の反骨精神に火をつけ、定められた売り出し日より先に初物をゲットしようと躍起になったとか。

それでも時代が幕末の動乱期になると初物に浮かれている余裕もなくなってしまったのか、初物ブームも下火になっていきました。

初物フィーバーは平和な時代の一種のぜいたくですが、そこには当時の人々のいろんな価値観が見えるようでおもしろいですね。

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