人気銘柄も登場!なかには売れっ子遊女のプライベートブランドも!?
現在、タバコの銘柄にはマイルドセブンやキャスターなど様々な種類がありますが、江戸時代の刻みタバコにも産地によって銘柄があり、人気ブランドもありました。
たとえば江戸で人気があったのは、大隅(現・鹿児島県)の「国分(こくぶ)」、摂津(現・大阪府北中部と兵庫県南部)の「服部(はっとり)」、越後(現・新潟県)の「大鹿」、甲州(現・山梨県)の「生坂(いくさか)」などなど。
特に国分タバコは最高級品として人気を集め、産地を偽装したニセモノも出回ったとか。
産地によってタバコは味が異なるため、お土産やプレゼントとしても重宝されました。
そんなタバコの銘柄のなかには、売れっ子遊女が自分好みにブレンドしたプライベートブランドもあったそう。ある遊女が刻みタバコを包んだ紙に自分の名前を書いて馴染みの客に渡したそうなのですが、もらったお客はさぞかしうれしかったことでしょうね。さすが売れっ子遊女、やることが粋です。
煙管での喫煙スタイルは「かっこよさ」にこだわる
前述したように江戸時代の喫煙スタイルは「煙管に刻みタバコ」なわけですが、具体的にどのような手順でタバコを吸っていたのかご紹介。
1.刻みタバコを丸める
まずは刻みタバコを適量手に取り、丸めます。
2.火皿に詰める
煙管の先端にある火皿に丸めた刻みタバコを乗せる感じで詰めます。
3.着火
火種に煙管の先端を近づけて刻みタバコに火をつけます。
4.ゆっくり喫う
勢いよく吸い込んではいけません。イメージとしては熱い飲み物を飲むときのように、そっとすする感じでゆっくり喫うのがポイント。
5.灰を落とす
現在の紙巻きタバコのように数分間吸い続けるものではなく、3~4口でおしまい。タバコが灰になったら煙管を逆さまにして、灰吹き(今の灰皿)のふちにコーンと当てて灰を落とします。
と、まぁ、こんな感じです。
紙巻タバコより匂いも気にならず、タバコ本来の味が楽しめるそうです。
ちなみに、“粋”を大事にした江戸っ子たちは喫煙の際にも「いかに粋にタバコを喫うか」にこだわったそうで、ポーズの研究にも余念がなかったとか。