• 更新日:2017年6月25日
  • 公開日:2016年6月18日




見た目のインパクトがすごすぎる

御利生(ごりしょう)


江戸の珍商売・御利生(『天狗のごり生』歌川国芳 画)
天狗が自分の鼻をつかって御利生(『天狗のごり生』歌川国芳 画)
もうひとつ願人坊主による珍商売。

お手製の鳥居を描いた箱を持ち歩き、鳥居から飛び出した狐の首を伸び縮みさせるパフォーマンスで、銭を乞う商売です。

その口上は「葛西金町半田の稲荷、御利生御利生大きな御利生、すてきな御利生」。“ステキ”ってところがいいですね。ただ、実は、この「御利生(ごりしょう)」とは男根を意味する隠語です。

う~ん…そうか。

あまりわけが分かっていない子供たちは、鳥居をくぐり伸び縮みする見事な細工と大声で発せられるリズミカルな口上に、キャッキャッとそれはもう大喜びですが、これはなんというか、ひどい。

いまならPTA憤死案件ですが、まあ江戸時代は全般的に性にたいして大らかだったわけです。

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武家の都・江戸ならではのリサイクルショップ

献残屋(けんざんや)


武士を模した古写真
なにかと付き合いや付け届けの多かった武士、出費もかさんだことでしょう
江戸時代後期の風俗百科事典『守貞謾稿』に「江戸にあって京・大坂にはない商売の第一」として紹介されているのがこの献残屋。

江戸時代はリサイクルが盛んだったのですが、このお店もいわばリサイクルショップ。扱う品が武家の都・江戸ならでは。たとえば…熨斗鮑(のしあわび)、カラスミ、雲丹(うに)、昆布、塩鳥(塩漬けにした鳥肉)などなど。

これらは武家向けの定番贈答品

つまり、献残屋とは、武家や大名が贈答などでもらった品物のうち不要なものを買い取り、それらをラッピングしなおし、新品より安価で再販するお店なのです。

見栄は大事だが金はあまりない武家にとっても献残屋はありがたい存在でした。

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