かつてはメジャーな未確認生物
雷獣とは落雷とともに現れる未確認生物、妖怪のこと。
明治時代以降、マイナーUMAになってしまいましたが、江戸時代にはとても知名度が高い未確認生物でした。文献により多少の差はありますが、だいたいの外見的特徴を説明しますと、体長約60cm、尻尾は20cmくらい、タヌキやイタチに似た鋭い爪を持つ幻獣。
雷獣はなかなかよく落っこちてきていたようで、日本各地に伝説が残り、随筆などにもちょくちょく出てきます。
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未確認生物が……しゃべった!?
なんだか子どもの落書きみたいですが、れっきとした江戸時代の瓦版に描かれた未確認生物です。
その正体は、1846年(弘化3)、肥後国(現・熊本県)の海中から出現し、豊作や疫病などを予言するというアマビエ(アマビコとも)。
毎晩のように海中に光る物体が出現することを怪しんだ役人が海へ行くと、このアマビエが出てきて「海に住むアマビエである」と名乗ったといいます。うん、結構、礼儀正しいですね。
さらに、「この先6年間は豊作続きだけど、万一、疫病が流行したら私の絵を描いてそれを人に見せるといいよ」と予言してくれたとか。アマビエ、礼儀正しいうえに親切ですね。
2020年の新型コロナウィルス流行の際には、「いまこそアマビエを描くとき」とTwitterを中心としてたくさんのアマビエが描かれました。
人面牛ではありません、これは件(くだん)です。体は「牛」、顔は「人」なので牛+人で「件」。
生後数日で死んでしまうが、人語を話し作物の豊凶や流行病など重大な未来を予言し、それは百発百中当たると伝わります。
瓦版に報じられた件の出現記事をご紹介しましょう。それによれば、1836年(天保7)、丹後国(現・京都府北部)の倉橋山に件が出現したといい、件の絵を貼っておけば家内繁盛、疫病退散、大豊年とめでたいこと尽くしのじつにめでたい獣だといいます。件、すごいパワーの持ち主ですね~。