• 更新日:2022年4月2日
  • 公開日:2016年12月6日


明治、大正、昭和と時代を追うごとに国民行事となったクリスマス


明治になると居留地でのクリスマスのにぎわいは年末の風物詩として新聞でも報じられるようになりました。それによるとクリスマス当日は領事館や銀行などはすべて休業となり、信者たちは朝から教会へ行き、バザーが行われたりしたそう。

明治時代の横浜居留地
明治時代の横浜居留地。まるで外国のよう。

現代では11月ともなれば熾烈なクリスマス商戦がスタートしますが、クリスマス商戦の歴史は、明治時代にまでさかのぼります。昔から日本人はイベント大好き。

輸入食品などを販売する明治屋が今から120年近く前(明治33年)に日本企業としていち早く華麗なクリスマス飾りをするようになり、クリスマスセールを始めたのが日本のクリスマス商戦の先駆けといわれています。

「クリスマス売り出し」と大きく書かれた明治屋のチラシ
「クリスマス売り出し」と大きく書かれた明治屋のチラシ。おもちゃや洋菓子に並んでストッキングと書かれているのが気になるところ
日本にクリスマスケーキが登場したのもなんと明治時代のこと。クリスマスケーキもずいぶん歴史があるんですね。ペコちゃんでおなじみの不二家が1910年(明治43年)にクリスマスケーキを販売したのです。余談ですが、砂糖でできたサンタやイチゴなどでクリスマスケーキをデコレーションするようになったのも不二家が先駆けらしい。不二家、すごい。

明治時代のクリスマスケーキ(復元)
明治時代のクリスマスケーキ(復元)
こうして日本でも次第にクリスマスの行事が広く浸透していき、大正時代も12年を過ぎると朝日新聞で「クリスマスプレゼントは年々盛んになる」と報じられるまでになりました。(今に置き換えると、ハロウィンやブラックフライデーが浸透していってるイメージ?)

昭和初期には“年中行事”としてクリスマスもすっかり定着し、そして、現代へと続いているのです。

昭和初めのクリスマスに関する新聞記事(1927年)
1927年(昭和2年)の新聞記事。12月に入った途端に大通りにクリスマスの飾りができた、と書かれている。現代と変わらないな。
クリスマスが日本でこんなに長い歴史を持っていたなんて意外ですよね。クリスマス・イヴの夜、皆さんの家にも三太九郎がやってきますように!

あわせてどうぞ→
大晦日といえば借金取り立て!大掃除後に胴上げ!江戸時代の年末風物詩を紹介
【食べないおせち料理】江戸時代の正月の常識が現代とだいぶ違う【お年玉はお餅】

江戸ブログ 関連記事

江戸ブログ 最新記事

あわせて読みたい 戦国・幕末記事