その発想はなかった!妖怪退治の必殺技はオナラ!?
<3作目>
『神農絵巻(神農化物退治絵巻)』
~あらすじ~
中国の伝説上の帝王のひとりにして、医薬と農業の神様「神農(しんのう)」。そんな神農のもとへ妖怪たちに妻や娘をさらわれ、田畑を荒らされたと人々が訴えにくる。涙の訴えに神農は「なんと許しがたき奴ら!ワシが退治してやる」と立ち上がり、サル、鳥、犬のお供を従え妖怪退治に出発するのであった――
中国の伝説上の帝王のひとりにして、医薬と農業の神様「神農(しんのう)」。そんな神農のもとへ妖怪たちに妻や娘をさらわれ、田畑を荒らされたと人々が訴えにくる。涙の訴えに神農は「なんと許しがたき奴ら!ワシが退治してやる」と立ち上がり、サル、鳥、犬のお供を従え妖怪退治に出発するのであった――
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目指す敵の居場所はめちゃくちゃ遠い
人々を困らせる悪行妖怪のいる島を目指す神農一行。お供は、鳥、サル、犬。
ん?どこかで聞いたことがあるパーティ。
それはさておき、船の旅は長く、なんと島まで12万3456里8町9間。だいたい50万km。
おいおい、こんなボートみたいなのでそんな超長距離移動を耐え切れるのか!?
見慣れぬ船に妖怪たち大騒ぎ
ついに妖怪たちのアジトに到着した神農一行。
が、船はあっさり妖怪たちに見つかってしまいます。
ここで神農が苦し紛れに言い放ったのは「暴風にあって流されてきちゃった☆」と、およそ神とは思えない浅はかでみえみえなウソ。
ところが、
「そうなの!?それは大変だったね。そういうことなら大王さまのところへ案内するよ」と妖怪たち。
妖怪、いいヤツらすぎるだろ!
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こ、これが悪の大王か・・・・・・!
妖怪たちに案内され、神農一行は大王さまにお目通り。酒宴が始まり、神農は舞を披露します。
ちなみに異形のものたちを束ねる悪の大王は、
画像左の人物の彼。
誰がなんと言おうと悪の大王であり、決してお金持ちのおっちゃんではありません。大王の周りに侍る女性たちは、村からさらってきた娘たちでしょうか。
さぁ、戦の準備をしようじゃないか(モグモグ)
宴も終わり、神農一行は寝るための部屋に案内されました。至れり尽くせり、VIP待遇。
ただし、そもそもの目的は悪行妖怪の退治。
ということで、一行は戦の準備を始めます。なにを始めたかといえば芋や栗をパクパク、モグモグ。さらにそこからのストレッチ!?
これは…?
くらえッ!!
ついに戦いの火蓋が切って落とされました。神農たちは奇襲攻撃をかけます。
なんと、強烈なオナラビームを放つ。さっきの芋や栗は放屁のためのいわば充電。ストレッチは腸内運動の活性化。
完璧な用意に裏打ちされた放屁攻撃に妖怪たちは鼻をつまみ、目を抑え、悶ます。目にしみる系のオナラ、辛い。
逃げ惑う妖怪たちに追い打ちをかける神農(画像左)。神様だけあって放屁スタイルもなんだかスタイリッシュ。
参りました。カンベンしてください
これは強烈な一発が決まった!見るからに臭そうなオナラに妖怪たちもこの表情。
「うひゃ~、くさいよー」
あんまり悪そうに見えないどころか愛嬌のある妖怪たちなだけに、ちょっと哀れ・・・・・・。画像右の妖怪はリバースしちゃっているんでしょうか?
神農たちの奇想天外にして強烈無比な攻撃に白旗を上げた大王は、今後、人間に悪さをしないことを誓ったのでした。めでたしめでたし。
いやぁ、これまたユニークな妖怪絵巻ですね。妖怪絵巻にはユニークなものが多いですが、そのなかでも異彩を放っています。というか、江戸時代の人って、全世界が仰天するほどオナラ好きなんです。
お次は一風変わった地獄へご案内。
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