お次の敵は狐軍団! ビビリの薩摩隼人VS化け狐、勝つのはどっち!?
<2作目>
『大石兵六物語絵巻』
~あらすじ~
時は江戸時代前期の寛永年間(1624~44)のはじめ頃。ところは薩摩国(現・鹿児島県)。人を化かして坊主頭にしてしまう――という化け狐の噂が巷に流れる。肝試しにと化け狐を探しに行ったのは、大石兵六という若侍。さて一方、狐たちも兵六がやってくるという噂を聞きつけ兵六をギャフンといわせようと様々に仕掛けてくる。はてさて勝負の行方やいかに?
時は江戸時代前期の寛永年間(1624~44)のはじめ頃。ところは薩摩国(現・鹿児島県)。人を化かして坊主頭にしてしまう――という化け狐の噂が巷に流れる。肝試しにと化け狐を探しに行ったのは、大石兵六という若侍。さて一方、狐たちも兵六がやってくるという噂を聞きつけ兵六をギャフンといわせようと様々に仕掛けてくる。はてさて勝負の行方やいかに?
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ぎゃー!逃げろ~!!
狐退治にやって来た兵六の前に最初に現れた妖怪変化は「宇蛇(うじゃ)」。
その大きさにほとんど失神しそうになった兵六、見苦しく両手をあげながら一目散に逃げ出します。稲生平太郎少年の豪胆さを見習え、兵六。
それにしても狐の化けスキル、すごすぎる。
漫☆画太郎のババアじゃないよ
続いて登場は「蓑姥じょう(みのばじょう)」。長い爪で襲いかかってきます。
「く、くるな~!!」とばかりに刀を振り上げる兵六。お歯黒の歯もまばらな大きな口、乱れた白髪、飛び出した鼻毛&耳毛、なによりこのサイズ…これは確かに怖い。
モフモフだよ~怖くないからおいで~
今度はちょっと怖カワイイ系で挑む狐サイド。
モフモフでにっこにこ。
カワイイけどおっさん臭い妖怪の名は「頬紅太郎(ほおべにたろう)」。あ、名前もやっぱり可愛らしい。
だが、兵六は、驚かせている頬紅太郎が鼻白むほどにビビってます。
「く、くるな!」
兵六さん、なめちゃうわよ
次々に攻撃をしかける化け狐に兵六はほうほうの体。でも、まだまだ妖怪変化は出てくる、出てくる。
お次はいろいろと長~い女性の妖怪。顔も長い、首も長い、チロッと出た舌も長い。
兵六は日本最強といわれた薩摩藩士なのだが、あろうことか敵に背を向けて、なりふり構わず神頼みです。
「もう早く消えてください、おねがいします。ナムナムナム」
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ところでこの妖怪、どっかで見たことある気がしてならなかったんですが…そうだこれだ。
吉田戦車の名作『伝染るんです。』の山崎先生(謎の生物)。似てる。ふぅ、スッキリした。
では、続きを。
兵六さ~ん、遊ぼうよう
今度はちょっと趣向を変えグループ攻撃。カラフルな子ども(?)に化けて兵六を取り囲む。
これは怖い、いや、ウザい。
兵六にまとわりつくようすは楽しそうで、なにやら母親に戯れかかる幼子のようで愛らしくもあります。
男・兵六、薩摩隼人の意地を見せる
ここまで防戦一方だった兵六に、さらなる悲劇が。なんと、和尚に化けた狐に騙され、坊主頭にされちゃったのです。これはなんとも情けない。
でも、逆転のチャンス到来。道端にいかにも怪しげな地蔵を発見した兵六がこれを捕まえると、案の定、地蔵は狐が化けたものだったのです。やった、兵六!
こうしてなんとか2匹の化け狐を捕まえ、兵六は仲間のもとへ帰ります。坊主頭になって戻ってきた兵六は「やっぱり狐に化かされちゃったよ、おれ…」とションボリ。
そんな兵六を仲間たちは「お前、よくがんばったよ」と慰め、ゴージャスな朝食をふるまってくれたんだとさ。めでたしめでたし。
『稲生物怪録』と同じく『大石兵六物語絵巻』もメジャーなタイトルだったようで、数多くの異本があり、登場する妖怪にもバリエーションがあります。こちらの妖怪もみんな個性的で楽しいですね。
お次はオナラで妖怪退治・・・・・・だと?