• 更新日:2017年8月18日
  • 公開日:2016年6月16日


ここからは『略画式』シリーズ以外も紹介。テーマはなんと諺(ことわざ)です。

水入れすぎぃい!

『諺画苑』(1808年、北尾政美 画)
『諺画苑』(1808年、北尾政美 画)
『諺画苑』(1808年)※蕙斎時代
いろんな諺がユーモラスなタッチで表現されています。注目は2枚目中央上の「寝耳に水」。どう見ても水入れすぎです。入れてる女性のシラっとした表情とやる気のない所作も面白い。1枚目中央下は「糠に釘」。何本やってもムダだよ!と誰か教えてあげてください。

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ゆる~いだけが政美じゃない。お次はガラリと雰囲気を変えた作品です。

繊細にして美麗

『海舶来禽図彙』1(1790~91年、北尾政美 画)
『海舶来禽図彙』2(1790~91年、北尾政美 画)
『海舶来禽図彙』3(1790~91年、北尾政美 画)
『海舶来禽図彙(かいはくらいきんずい)』(1790~91年)
略したタッチとは正反対、濃密なほどに描き込まれた写実画です。同時代のほかの絵師の作品と比較しても、写実性、芸術性ともにぬきんでています。

花つながりでは、

まるで幽霊画のような

『雨中の牡丹』(北尾政美 画)
『雨中の牡丹』
打ち付けるような激しい風雨にしなる牡丹の花。激しさと同時に一抹のさみしさも感じられます。まるで雨のなかに出てきた幽霊のような……。あ、あの絵に似ているかも!

『画図百鬼夜行』の「姑獲鳥(うぶめ)」(鳥山石燕 画)
これ。『画図百鬼夜行』(鳥山石燕 画)の「姑獲鳥(うぶめ)」。なお、個人の感想ですのであしからず。

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花つながりでこんどは明るく

なんだかファンタジー

『女風俗花宴』「六月」(北尾政美 画)
『女風俗花宴』「六月」
お花もピンク、着物もピンクでとってもファンタジー。政美はあまり美人画を手がけていないそうなので、これは珍しい1枚。ちなみに、手前の女性が持っているのは如雨露(ジョウロ)。今のように水を入れる本体部分はなく、先っぽのほうだけがあり、桶などから水を入れて使いました。

美人つながりで

着物の透け感が色っぽさ抜群

『納涼美人図』(北尾政美 画)
『納涼美人図』
黒の紗の着物に透ける赤い襦袢(じゅばん)、そして透けるように白い肌。肉筆画ならではの、ため息ものの美しさです。

美しさならこちらも極上

春のうららに飲めや踊れや

『観桜図』(北尾政美 画)
『観桜図』
花見の宴を楽しむ人たちのにぎやかさと、清らかに咲く桜の静かに散る姿の対比がたまらないですね。

子どもを描くとこんな感じ

でっかく育ったね

『子供の祭ごっこ』(北尾政美 画)
『子供の祭ごっこ』
かわいいのか、かわいくないのか観る人によりそうですが、ひとつ言えるのはスクスク育ってよかった!太もものムチムチ具合は200年前も一緒。

想像上の生き物を描くとこんな感じ

うねる黒雲がカッコイイ

『八岐の大蛇』(北尾政美 画)
『八岐の大蛇(やまたのおろち)』
太い筆で描きなぐったような黒雲がインパクトある、ドラマティックな1枚です。雷鳴や風のうなる音が聞えてきそうです。

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