• 更新日:2017年8月18日
  • 公開日:2016年3月29日


●午前10時頃(昼四つ)●

参拝が終わると「朝の総触れ」が行われました。御年寄、御中臈などといった御目見得(おめみえ/将軍に直接面会することができる)以上の高級女中たちがずらりと並んで将軍と御台所に朝のあいさつをするイベントです。美しい女性たちがずらりと並ぶ様はさぞかし壮観だったでしょうね。

これが終わると将軍は中奥へ戻り、普段着に着替えると自由時間を過ごしました。御台所もゆったりとした「お昼御召し」に着替えました。

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上流階級のお方は日に何度も着替えがあってたいへんです。なんと、御台所は1日で5回も着替えをし、そのたびに化粧直しをしたとか(特別な日以外は1日3回とも)。本人もですが、女中さんたちも大忙し。

篤姫の着物。13代将軍・家定の正室として薩摩藩から輿入れした
13代将軍・家定の正室として薩摩藩から輿入れした篤姫の着物。背中と両肩に刺繍された紋は養家の近衛家のもの。新緑のような鮮やかなグリーンが印象的です。画像引用元:大阪歴史博物館

和宮の着物。兄である孝明天皇からの贈り物といわれる
14代将軍・家茂(いえもち)の正室として天皇家から降嫁した和宮の着物。兄である孝明天皇からの贈り物らしい。画像引用元:着付けスタジオ華
さて、あわただしく過ぎた朝のラッシュもここで一段落。大奥では午前中がとにかく忙しかったようです。

●12時頃(昼九つ)●

昼食の時間です。と、その前に、日によっては奥医師2人による健康チェックがありました。これが月に5~6回あったそう。

脈をはかったり、舌を診たりするのですが、当時、高貴なお方の肌に直接触れるのはタブーでしたので、脈をはかるのも布の上から行いました

咳やクシャミなどをして体調が悪そうな時には腹診も行いましたが、やはり襦袢(じゅばん/下着のようなもの)の上からの診察でした。気休めにもならない気がしますが、どうなんでしょうかね……。

末の奥医師として有名な松本良順
幕末の奥医師として有名な松本良順。14代将軍・徳川家茂の最期を看取り、新撰組とも親交が深く、戊辰戦争では旧幕府側の軍医として活躍しました
昼食後はのんびり自由時間。本を読むもよし、和歌を詠むもよし、女中たちとカルタで遊ぶもよし、といった感じでした。時には庭を散歩することもあったそうな。

御台所(画像中央)が女中たちとカルタで遊んでいる様子(『千代田之大奥』「かるた」揚洲周延 画)
御台所(画像中央)が女中たちとカルタで遊んでいます。御台所が相手の勝負……さぞ気を遣ったことでしょう(『千代田之大奥』「かるた」揚洲周延 画)

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