• 更新日:2017年8月18日
  • 公開日:2016年3月20日


タコの閻魔は芋が嫌い? 芋が責め苦にあう芋地獄ってなんなんだ!?


『一百三升芋地獄』(山東京伝 作)、その1
『一百三升芋地獄(いっぴゃくさんじょういもじごく)』
山東京伝 作(1789年)


~あらすじ~
この世にあるという136の地獄すべてを巡った豪傑がいた。地獄コンプリートを成し遂げこの世に戻ってきた男は、子どもたちの歌う歌詞に初めて聞く地獄を知る。その名も「芋地獄」。好奇心旺盛な男はさっそく芋地獄を見物すべく旅立つ…。

上記画像は芋地獄。地獄の長は閻魔ならぬ大タコの天蓋(てんがい)大王。地獄へ落とされた芋たちに罰を与えるのが役目。引き出されているのは山の芋。

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天蓋大王「精進ものでありながら、鰻の蒲焼風に料理され和尚に精をつけさせたな!」と糾弾。現世での罪を映す鏡にはたしかに鰻が。ちなみに画面左奥には長芋の針山。痛いというより痒そうだ。

『一百三升芋地獄』(山東京伝 作)、その2
賽の河原では小芋たちが石の代わりにムカゴ(山芋の葉の付け根にできる球芽)を積み上げ塔をつくる。チビッ子の小芋たち、カワイイような、あんまりかわいくないような……。

『一百三升芋地獄』(山東京伝 作)、その3
地獄に落ちたつくね芋たちが、ある者はワサビおろしですりおろされ、ある者はすり鉢ですられる、そう、ここは「とろろ地獄」。とにかく痛そうだ。地獄の鬼たち曰く「いもいもしい芋だ。硬くてすりおろせねえ」。

とまぁ、こんな感じで続く芋地獄の様子を見物していた地獄マニアの豪傑。しかし、芋たちのあまりのいじめられっぷりに堪忍袋の緒が切れ、大タコの天蓋大王に熱湯をぶっかける!

じつはこの芋地獄、タコ大王がつくった偽地獄であることが判明し、激怒した閻魔大王によりタコ大王は灼熱地獄で茹ダコにされてしまったとさ。めでたし、めでたし。

芋地獄なだけに、登場する芋たちのキャラクターが秀逸。随所に散りばめられた“芋ギャグ”もおもしろい。個人的に「いもいもしい(いまいましい)」を推したい。唱える念仏も「いもあみだぶつ、いもあみだぶつ」。もう、めちゃくちゃです。

山東京伝作品はこのくらいにして、ここからはほかの作者の作品ご紹介。やっぱり斜め上をいってます。

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