子どもに人気の「シャボン玉」、その正体は?
子どもたちが遊んでいるのは、どう見ても「シャボン玉」です。
これは江戸時代末期の風俗百科『守貞謾稿(もりさだまんこう)』に描かれたものですが、「サボンウリ(しゃぼん売り)」と書いてあります。
夏になると日傘をさし、シャボン玉を売った行商人です、江戸では「玉屋~玉屋~」と呼ばわって売り歩きました。
石鹸もないのにシャボン玉とは不思議な感じですが、シャボン液として使われたのは石鹸液ではありません。その正体は、先ほども登場したムクロジの果皮や芋がらを焼いたものの水溶液。ストローの代わりには、竹の細い管や葦(あし)の茎などを使いました。
ぷーっと吹くと現在のシャボン玉のように五色にきらめくシャボン玉ができ、子どもたちは大喜びしたそうです。今も昔も子どもはシャボン玉が大好きなんですね。
石鹸の代用に使用されていた自然素材、じつは科学的にも効果があったなんてビックリです。