• 更新日:2022年4月3日
  • 公開日:2015年11月23日


有名絵師3人目
歌川国芳(うたがわくによし)

春画用ペンネームは一妙開程よし(いちみょうかいほどよし)。これは画号の「一勇斎国芳」をもじったもの。江戸時代末期を代表する浮世絵師。斬新なデザイン力、ユニークなアイデアは比類なし。大の猫好きとしても有名で、猫もたくさん描いた

男の流し目にあふれる色気
歌川国芳の艶本『枕辺深閨梅』(ちんぺんしんけいばい)

『枕辺深閨梅(ちんぺんしんけいばい)』より

国芳による艶本『枕辺深閨梅』(1838)のなかの1枚。男のほうは啓一郎という悪党なのですが、ワルい男の危ない色気が目つきに集約されているようですね。


やっぱり猫が好き
歌川国芳の艶本『葉古与見(はなごよみ)』

艶本『華古与見(はなごよみ)』より

これは旦那が奥さんの女性器をじっくり見ている場面です。恥ずかしがってふとんに隠れる奥さんがいじらしい。「見るは法楽、見られるは因果」だそうです。

この春画、注目は左上。

春画に登場する猫(歌川国芳の艶本『葉古与見(はなごよみ)』)
屏風の陰によく見ると猫発見。
さすが大の猫好きとして有名な国芳、こんなとこにまで猫を出しちゃってます。


有名絵師4人目
喜多川歌麿(きたがわうたまろ)

春画用ペンネームは不埒茎。

漂う濃艶な空気
春画の最高傑作『歌満くら』(喜多川歌麿 画)

『歌満くら』(1788年)より

春画の最高傑作ともいわれる、美人画の大家・歌麿による春画集『歌満くら』。これは茶屋の2階にある座敷で睦み合う男女を描いたものです。露出度は低いながら、画にただよう空気感がなんともエロス。 赤い腰布からのぞく真っ白なオシリ、透け感のある紗の羽織、なにより女の髪越しにチラリと見える男の目!すばらしい!
※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。ぜひごらんください。


有名絵師5人目
鳥居清長(とりいきよなが)

江戸時代中期から後期にかけて活躍した浮世絵師。8頭身とも9頭身とも思われるスラリとしたモデル顔負けの美人画で一世を風靡しました。

横になが~い清長春画の最高傑作
横長の春画(艶本『袖の巻』より、鳥居清長 画)

『袖の巻』より

12枚揃いの艶本『袖の巻』(1785)は縦12cm、横67~73cmととっても横に長い珍しいスタイルが特徴。鳥居清長というと、8頭身とも9頭身とも思われるスラリとしたモデル顔負けの美人画で有名で、なんとなく縦に長いイメージですが、それをガラッと覆してくれます。それにしてもこんなに横長なのにぜんぜん窮屈さを感じさせない構図の妙。しかし、2人ともニッコニコで幸せそうですね~。

のほほんとした女性の表情に注目
鳥居清長の春画(艶本『色道十二番』より)

『色道十二番(しきどうじゅうにつがい)』より

清長による12枚揃いの艶本『色道十二番』(1785)のなかの1枚。こちらの女性もニコニコと幸せそうな表情が印象的です。清長の春画はこういった大らかで温かみのある作品が多いようです。

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